タイのdtac、一部顧客が利用不可となる可能性で注意を掲載

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タイの移動体通信事業者(MNO)でdtacブランドを展開するTotal Access Communicationおよび同社の子会社でタイの移動体通信事業者であるdtac TriNetは850MHz帯および1.8GHz帯の利用者に対する案内を掲載した。

850MHz帯および1.8GHz帯はタイの移動体通信事業者で国有企業のCAT Telecomとの借用契約に基づき利用しているが、2018年9月15日に借用契約の満期を迎える。

Total Access Communicationはタイの政府機関で電気通信分野の規制を担う国家放送通信委員会(National Broadcasting Telecommunications Commission：NBTC)に借用契約の延長を求めたものの、国家放送通信委員会はTotal Access Communicationの要求を却下しており、Total Access Communicationは国家放送通信委員会を相手取り中央行政裁判所に提訴したが、中央行政裁判所の判断次第で2018年9月16日以降は借用契約に基づく850MHz帯と1.8GHz帯が利用不可となる。

850MHz帯はTotal Access Communicationまたはdtac TriNetが利用する周波数の中で唯一のサブGHzであり、遠隔地などは850MHz帯のみでカバーしている場合もある。

また、1.8GHz帯はTotal Access Communicationおよびdtac TriNetが利用する周波数の中で唯一のGSM方式を運用する周波数であり、1.8GHz帯の終了はGSM方式の終了を意味する。

そのため、Total Access Communicationおよびdtac TriNetは借用契約の延長が認められない場合の影響などの案内を掲載した。

借用契約の延長が認められない場合、Total Access Communicationの契約者は周波数に関係なく2018年9月16日の0時1分(タイ時間)より利用不可となる。

*444#に発信すると契約状態を確認可能で、影響を受ける場合は無料でSIMカードのアップグレードや端末の特別割引を受けられる。

SIMカードのアップグレードを行うと、契約先はdtac TriNetに切り替わる。

dtac TriNetの契約者で1.8GHz帯のGSM方式を利用している場合、従来と変わらず利用できる。

国家放送通信委員会が2018年8月に実施した周波数オークションでGSM方式を維持するため1.8GHz帯の5MHz幅*2を取得しており、運用者がTotal Access Communicationからdtac TriNetに変わるものの、1.8GHz帯のGSM方式は借用契約の延長に関係なく維持する。

なお、将来的にはGSM方式の停波も計画しており、ベーシックフォンが中心になると思われるが、GSM方式の利用者を対象としてTD-LTE方式によるdtac TURBOを利用できる端末の特別割引を提供している。

dtac TriNetの契約者で850MHz帯を利用している場合、850MHz帯のみで整備する一部のエリアで利用不可となる。

2018年9月13日より確認手段を提供する予定で、*777に発信すると利用不可となるエリアを確認できる。

影響を受ける顧客にはTotal Access Communicationから連絡する予定で、影響を受けるポストペイド契約とプリペイド契約の両方の顧客に対して音声通話とデータ通信を無料で提供する措置も準備しているという。

850MHz帯ではW-CDMA方式のみを運用しており、対応周波数など端末側の状況によっては、移動体通信サービスそのものは利用不可とならなくとも、低速なGSM方式のみ利用できる状態となる場合もある。

Total Access Communicationの契約者は古い回線に多く、Total Access Communicationの契約者で回線の維持を希望する場合は十分に注意したい。

dtac