台湾の遠傳電信と亞太電信、5G周波数の共有で合意

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台湾の移動体通信事業者(MNO)であるFar EasTone Telecommunications (遠傳電信)と台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)の子会社で台湾の移動体通信事業者であるAsia Pacific Telecom (亞太電信)は第5世代移動通信システム(5G)向け周波数の共有で合意に達したと発表した。

Far EasTone Telecommunicationsが5G向けに取得を受けた3.5GHz帯の周波数をAsia Pacific Telecomと共有することになる。

台湾の政府機関で電気通信分野の規制を司る国家通訊伝播委員会(National Communications Commission：NCC)は5G向け周波数の割当先を決定する周波数オークションを実施し、Far EasTone Telecommunicationsは3.5GHz帯の80MHz幅と28GHz帯の400MHz幅、Asia Pacific Telecomは28GHz帯の400MHz幅を取得していた。

ミリ波(mmWave)の28GHz帯はスポット的な大容量通信の整備には活用できるが、5Gの整備では比較的広い帯域幅と提供エリアの確保を両立できるサブ6GHz帯の3.5GHz帯が適するとされている。

そのため、3.5GHz帯は人気が集中して高騰する結果となり、Asia Pacific Telecomは3.5GHz帯の取得の断念し、3.5GHz帯を取得した移動体通信事業者と提携して3.5GHz帯を取得する道を模索することになった。

最終的にAsia Pacific TelecomはFar EasTone Telecommunicationsと3.5GHz帯の共有で合意に達しており、Asia Pacific TelecomはFar EasTone Telecommunicationsが3.5GHz帯の周波数の取得および使用に要する費用の9分の2、すなわち94億7,300万台湾ドル(約343億445万円)を負担し、20年間にわたり3.5GHz帯の容量の9分の2を使用できる。

Far EasTone Telecommunicationsは周波数を共有することで、台湾政府が示した周波数の利用効率の最大化を推進する方針に呼応できると説明している。

5Gの通信方式はNR方式の導入が決定しており、基地局はFar EasTone TelecommunicationsがスウェーデンのEricsson、Asia Pacific TelecomがフィンランドのNokiaより調達する。

また、周波数の共有などネットワークの展開で協力を深めるために、Far EasTone TelecommunicationsはAsia Pacific Telecom、Asia Pacific Telecomの親会社であるHon Hai Precision IndustryはFar EasTone Telecommunicationsに出資することも決まっている。

Asia Pacific Telecomは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式を導入時に台湾の移動体通信事業者であるTaiwan Mobile (台湾大哥大)と協力し、ローミングとしてTaiwan Mobileが運用するLTE方式および第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式を使用していたが、すでにLTE方式ではローミングの提供を終了している。

5Gの時代ではTaiwan MobileではなくFar EasTone Telecommunicationsと提携することになる。

なお、Far EasTone Telecommunicationsは2020年6月10日に5Gの免許を取得して2020年7月3日に5Gを商用化、Taiwan Mobileは2020年6月17日に5Gの免許を取得して2020年7月1日に5Gを商用化した。

Asia Pacific Telecomは2020年7月29日に5Gの免許を取得し、2020年9月4日の時点で5Gの商用化に至っていないが、2020年第3四半期中に5Gを商用化する方針を示しているため、2020年9月中に5Gを商用化する見込み。

Far EasTone Telecommunications