サウジアラビアのstc、エジプト参入を断念
- 2020年12月24日
- 海外携帯電話
サウジアラビアの移動体通信事業者(MNO)でstcとして展開するSaudi Telecom Companyはエジプトへの参入を断念したことが分かった。
これまで、Saudi Telecom Companyはエジプトの移動体通信事業者であるVodafone Egypt Telecommunicationsを買収してエジプトに参入する方向で、Vodafone Egypt Telecommunicationsの親会社である英国のVodafone Groupと協議を進めてきた。
しかし、2020年12月21日付けでVodafone GroupはVodafone Egypt Telecommunicationsに関してSaudi Telecom Companyと合意なく協議を終了したことを明確化しており、Saudi Telecom Companyとしてはエジプトへの参入を断念することになった。
Vodafone Egypt Telecommunicationsに対する持分比率はVodafone Groupが55.0%、エジプトの移動体通信事業者であるTelecom Egyptが44.95%となっている。
Saudi Telecom CompanyおよびVodafone Groupは2020年1月29日に覚書を締結しており、Saudi Telecom CompanyがVodafone Egypt Telecommunicationsの株式の55.0%を23億9,200万米ドル(約2,472億4,669万円)でVodafone Groupより取得する内容で、覚書が有効なうちに最終的な契約の締結を目指すことで合意していた。
当初、覚書の有効期限は2020年4月13日に設定していたが、Saudi Telecom CompanyによるVodafone Egypt Telecommunicationsの審査が想定より長期化したため、有効期限を2020年7月12日に延長したが、さらに審査が長期化して2020年9月10日まで再延長した。
2020年9月10日までに合意に達しなかったが、Saudi Telecom CompanyおよびVodafone Groupは協議の継続で合意して協議を進めることになった。
それでもSaudi Telecom CompanyおよびVodafone Groupの間で合意に至ることはなく、最終的に協議の終了を決めた。
エジプトの一部の規制当局はSaudi Telecom CompanyがVodafone GroupよりVodafone Egypt Telecommunicationsの株式の55.0%を取得する場合はTelecom Egyptが保有する44.95%の取得も求めるなど、Saudi Telecom Companyとしては受け入れが難しい事象が発生していたと思われる。
Saudi Telecom Companyはエジプトへの参入は断念したが、アフリカではエチオピアへの参入を検討しており、中東では本社が所在するサウジアラビアのほか、子会社を通じてバーレーンおよびクウェートに参入している。
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