ベトナム、新規流通する携帯電話は4G以上の対応が必須に
- 2021年07月06日
- 海外携帯電話
ベトナムの政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報通信省(Ministry of Information and Communications:MIC)が2020年12月31日に公表した陸上移動通信端末機器の国家技術規則-無線アクセス部分に関する通達第43号/2020/TT-BTTTTが2021年7月1日付けで正式に発効した。
通達ではベトナムで製造もしくはベトナムに輸入される携帯電話は第4世代移動通信システム(4G)または4Gより高度な通信規格に対応する必要があると規定している。
ベトナムでは4Gより高度な通信規格として第5世代移動通信システム(5G)を試験的に運用しており、世界的な商用展開の状況を考慮しても4Gより高度な通信規格は5Gと読み替えることができる。
そのため、通達が発効した2021年7月1日以降にベトナムで製造もしくはベトナムに輸入される携帯電話は4Gまたは5Gへの対応を義務化したことになる。
携帯電話にはスマートフォン、フィーチャーフォン、ベーシックフォンなどすべての携帯電話が含まれる。
4Gまたは5Gに対応していない携帯電話でも2021年6月30日までにベトナムで製造もしくはベトナムに輸入された携帯電話は引き続きベトナムで流通することが許可されているため、2021年7月1日以降も小売店の店頭で販売して問題ない。
2021年7月1日以降にベトナムで製造もしくはベトナムに輸入し、新規に流通する携帯電話は4Gまたは5Gへの対応が必須となる。
情報通信省が通達を策定した背景としては第2世代移動通信システム(2G)および第3世代移動通信システム(3G)から4Gへの移行を加速させる意図がある。
4Gの普及が進む中で情報通信省は早ければ2022年にベトナムの移動体通信事業者(MNO)に対して2Gおよび3Gを終了させることを計画している。
通達の発効に伴い4Gに対応していない携帯電話が新規に流通することを阻止し、計画の達成に向けて4Gへの移行の加速を図る。
2Gおよび3Gを終了するため、基本的に音声通話は4GのLTE方式で行うVoLTE (Voice over LTE)で提供することになる。
情報通信省の直属機関であるベトナム電気通信局(Vietnam Telecommunications Authority:VNTA)はベトナムに参入する主要なメーカーおよびブランドと調整してベトナムの移動体通信事業者でVoLTEを利用できるよう調整を進めてきた。
2021年7月1日以降にベトナムで製造もしくはベトナムに輸入し、ベトナムで正規に流通する携帯電話は基本的に標準状態でVoLTEが有効になるという。
なお、ベトナムの移動体通信事業者はViettel Telecom Corporation – Branch of Viettel Group (以下、Viettel Telecom)、VNPT VinaPhone Corporation (以下、VinaPhone)、MobiFone Corporation (以下、MobiFone)、Vietnamobile Telecommunications (以下、Vietnamobile)、Gmobileとして事業を行うGlobal Telecommunications Corporation (以下、Gmobile)の5者である。
いずれの移動体通信事業者も2Gを導入しており、Gmobile以外の4者が3Gおよび4Gも導入している状況となっている。
VoLTEはViettel Telecom、VinaPhone、Vietnamobileが提供しており、2021年第3四半期にはMobiFoneも提供を開始する。
スポンサーリンク