ノルウェー中央銀行がKDDIと住友商事を監視対象に、ミャンマー携帯通信事業で
- 2023年12月22日
- KDDI-総合
ノルウェー政府が所有するノルウェー中央銀行(Norges Bank)の部門でノルウェーの政府機関である財務省(Ministry of Finance)が所有するノルウェー政府年金基金グローバルを財務省に代わり運用するノルウェー中央銀行投資管理部門(Norges Bank Investment Management:NBIM)はKDDIおよびSumitomo Corporation (住友商事)の監視を開始したと発表した。
ノルウェー中央銀行投資管理部門はKDDIおよびSumitomo Corporationがミャンマー(ビルマ)で行う電気通信事業に関連して個人の権利に対する重大な懸念からKDDIおよびSumitomo Corporationを3年間の監視対象とする。
監視対象の会社でノルウェー銀行の理事会が容認できないリスクを伴うと判断した場合はノルウェー政府年金基金グローバルによる投資対象から除外されることになる。
KDDIおよびSumitomo Corporationはミャンマーの政府機関で同国の移動体通信事業者(MNO)であるミャンマー国営郵便・電気通信事業体(Myanma Posts and Telecommunications:MPT)と共同でミャンマーにおける電気通信事業を行う。
2014年7月16日に合弁会社の子会社を通じてミャンマー国営郵便・電気通信事業体と電気通信事業を共同で行う契約を締結した。
シンガポールで合弁会社としてKDDI SUMMIT GLOBAL SINGAPOREを設立したうえで、KDDI SUMMIT GLOBAL SINGAPOREが子会社としてミャンマーでKDDI Summit Global Myanmarを設立しており、KDDI Summit Global Myanmarとミャンマー国営郵便・電気通信事業体が契約の当事者となる。
なお、KDDI SUMMIT GLOBAL SINGAPOREに対する出資比率はKDDIが50.1%、Sumitomo Corporationが49.9%である。
KDDI Summit Global Myanmarに対する出資比率はKDDI SUMMIT GLOBAL SINGAPOREが99.9%、KDDIの完全子会社でミャンマーのKDDI Myanmarが1株を保有する。
KDDI SUMMIT GLOBAL SINGAPOREとKDDI Summit Global MyanmarともにKDDIの連結子会社となっている。
KDDIおよびSumitomo CorporationはKDDI Summit Global Myanmarを通じてミャンマー国営郵便・電気通信事業体と共同で携帯通信事業を中心にミャンマーで電気通信事業を行うが、ミャンマーでは2021年2月1日に政変が発生したため、ミャンマー国軍が率いる軍事政権が統治している。
ミャンマー国軍はミャンマーの移動体通信事業者にに対して通信傍受や通信遮断の指示を発出しており、ミャンマーの移動体通信事業者は指示に従う必要がある。
そのため、ミャンマーで行う電気通信事業を通じて軍事政権の統制に寄与することが懸念されており、ノルウェー中央銀行投資管理部門はKDDIおよびSumitomo Corporationを監視する。
KDDIおよびSumitomo Corporationと同時期にはノルウェー政府が所有するノルウェーのTelenorおよびカタール政府が所有するカタールの移動体通信事業者であるOoredooもミャンマーの電気通信分野に参入したが、Telenorは2022年3月25日にミャンマーから撤退を完了した。
Ooredooもミャンマーから撤退する計画である。
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