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台湾のスマホ輸出額が7割減、HTCの大不振が影響か



台湾の政府機関である財政部(Ministry of Finance)は2018年11月30日に終了した11ヶ月間における通信機器などの輸出入に関する統計情報を発表した。

通信機器およびネットワーク製品の輸出額は前年同期比15.0%減の117億米ドル(約1兆2,924億円)、輸入額は前年同期比6.4%減の59億米ドル(約6,516億円)となった。

国および地域別で輸出額における主要な仕向地は中国本土および香港特別行政区が40.2%、米国が22.2%、ドイツが5.1%、日本が4.3%、輸入額における主要な仕出地は中国本土および香港特別行政区が74.6%、ベトナムが6.8%、日本が1.7%を占めた。

また、通信機器およびネットワーク製品の輸出額のうち、スマートフォンを含めた携帯電話の輸出額は前年同期比71.9%減の4億米ドル(約442億円)まで減少した。

2011年には携帯電話の年間輸出額が106億米ドル(約1兆1,707億円)に達したが、2018年11月30日に終了した11ヶ月間は2011年通年のわずか3.8%にとどまる。

2011年通年に前年比39.1%増を記録してから、2012年通年は前年比42.8%減、2013年は前年比5.1%減、2014年は前年比35.3%減、2015年は前年比24.9%減、2016年は前年比32.7%減、2017年は前年比12.4%減と減少の一途を辿っているが、前年比の減少率は2018年が最大となる見込み。

携帯電話の輸出額の減少は台湾のHTC (宏達国際電子)の不振が大きく影響したと考えられる。

台湾ではASUSTeK Computer (華碩電脳)もスマートフォン事業で苦戦しているが、ASUSTeK Computerや多くの台湾に本社を置くOEM企業およびODM企業も中国本土などで製造しており、中国本土などで製造されたスマートフォンは台湾からの輸出には含まれない。

HTCも過去に中国本土で製造したスマートフォンも存在するが、多くはHTCが登記上の本店所在地を置く台湾北部の桃園市桃園区にある工場で製造しており、当然ながら桃園区の工場で製造したスマートフォンは台湾からの輸出として集計される対象となる。

2018年11月30日に終了した11ヶ月間のHTCの連結売上高は前年同期比61.5%減と大幅な減収を記録したことが分かっている。

また、HTCはスマートフォンの製造の需要が大幅に低下したため、2018年9月末までには桃園区の工場で製造業務に携わる約1,500人の人員を解雇した。

HTCの月間売上高は2011年9月が過去最高で、2011年に全盛期を迎えていた。

先述の通り台湾の携帯電話の輸出額も2011年通年は106億台湾ドルに達するなど輸出が好調で、台湾の携帯電話の輸出額はHTCの好不調に大きく左右される傾向にある。

前年同期比71.9%減の大幅な減少もやはりHTCの大不振が影響したと考えている。

財務部

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