米政府がファーウェイとの取引で限定承認した内容が判明

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米国の政府機関である商務省(Department of Commerce：DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security：BIS)は2019年5月16日付けで中国のHuawei Technologies (華為技術)とその関係会社を制裁対象に指定した事案について、産業安全保障局は一部の取引に限定して猶予期間を設定すると発表した。

産業安全保障局はHuawei Technologiesとその関係会社をEntity Listに追加しており、Entity Listに追加された事業体にはHuawei Technologiesの日本法人であるHuawei Technologies Japan (華為技術日本)も含まれる。

Entity Listの指定を受けた者と個人や事業体を含む米国人または外国人が特定の米国原産の物品や技術などを取引する場合、産業安全保障局より発行されたライセンスの取得が求められる。

ただ、ライセンスの発行は原則として拒否されるため、Entity Listの指定を受けた者は特定の米国原産の物品や技術などの取り扱いが困難になると予想される。

Huawei Technologiesやその関係会社の顧客への影響が懸念される中で、商務省は2019年5月20日から2019年8月19日まで有効の一時一般ライセンスを発行し、これにより一時一般ライセンスの有効期間中には特定の国を除き、米国原産の物品や技術が関連する場合でもHuawei Technologiesやその関係会社との取引や関与が認められる。

なお、Huawei Technologiesやその関係会社はまとめてHuawei Technologiesなどと表記する。

産業安全保障局が承認した内容は大きく分けて4項目となる。

1つ目は既存のネットワークや通信設備の継続的運用である。

ソフトウェアのアップデートやパッチを含む、既存のネットワークや通信設備の完全な運用、管理、サポートに必要な関与を認める。

2019年5月16日以前にHuawei Technologiesなどと第三者の間で交わされた契約または合意が対象となる。

2つ目は既存のハンドセットのサポートである。

ハンドセットはスマートフォンなど端末を指しており、ソフトウェアのアップデートやパッチを含む、既存のHuawei Technologiesのハンドセットに対して必要なサービスの提供やサポートにおける関与を認める。

2019年5月16日以前に一般に利用可能なハンドセットが対象となる。

3つ目はサイバーセキュリティの調査と脆弱性の開示である。

Huawei Technologiesなどが所有または管理する製品などにおけるセキュリティの脆弱性に関する情報の開示における関与を認める。

既存のネットワークや通信設備、ハンドセットの信頼性を維持するために必要不可欠で、セキュリティを調査する過程で必要な場合が対象となる。

4つ目は対象は正式に承認された標準化団体による第5世代移動通信システム(5G)の開発に必要な取り組みにおける関与を承認する。

国際的な標準化団体の例としては、電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers：IEEE)、インターネット技術特別調査委員会(Internet Engineering Task Force：IETF)、国際標準化機構(International Organization for Standards：ISO)、国際電気通信連合(International Telecommunications Union：ITU)、欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute：ETSI)、3GPP (3rd Generation Partnership Project)、電気通信工業会(Telecommunications Industry Association：TIA)、GSMA (GSM Association)が挙げられている。

猶予期間の設定はすでにHuawei Technologiesなどとの関与がある事業体などへの影響を考慮した措置であり、新規関与は認められていない。

商務省

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