アンゴラのAngorascomが人員募集を開始、OIHは北朝鮮以来のMNO立ち上げ
- 2020年04月30日
- 海外携帯電話
エジプトのOrascom Investment Holding (以下、OIH)はアンゴラのAngorascom Telecomunicacoesの人員募集を開始した。
Angorascom TelecomunicacoesはOIHの子会社で、最新の移動体通信技術を使用してアンゴラで最新の通信事業者を立ち上げるという。
そこで、競争が激しく進化を続ける通信業界でキャリアを追求する意欲の高い専門家を求めると説明している。
商業部門で9の職種、顧客運用部門で6の職種、会計および金融部門で7の職種、ITおよび課金部門で8の職種、技術部門で20の職種、人事および管理部門で5の職種、合計で55の職種で専門的な知識を保有する人員の募集を開始した。
勤務地はアンゴラ国内となり、応募資格はすべての職種で関連分野の大学の学位以上の取得が必須で、職種に応じて1年から7年以上の経験を条件とする。
応募する場合は募集開始日の2020年4月27日から2週間以内に英語の履歴書をOIHに提出する必要がある。
アンゴラでは大統領令193/19号でAngorascom Telecomunicacoesに携帯通信サービスの提供を認めている。
大統領令193/19号ではAngola Telecomに付与された統一グローバルタイトルの運用のために携帯通信サービスの提供を許可するとともに、Angola Telecomの携帯通信サービスを監督する権限をアンゴラ通信庁(Instituto Angolano das Comunicacoes:INACOM)に委任し、さらにAngorascom Telecomunicacoesが携帯通信サービスを提供するために必要な技術的および法的側面にも対処するよう命じた。
Angola TelecomとAngorascom Telecomunicacoesが携帯通信サービスで関与することは明確で、Angorascom Telecomunicacoesは仮想移動体通信事業者(MVNO)となる可能性も指摘されたが、Angorascom Telecomunicacoesが募集する職種には基地局の設置交渉、基地局の設置場所の選択や検証、その他の基地局の設置やネットワークの設計に関する職種が含まれているため、Angorascom Telecomunicacoesは移動体通信事業者(MNO)として新規参入すると思われる。
一連の状況からOIHとAngola Telecomが協力し、Angorascom Telecomunicacoesを通じて移動体通信事業者として新規参入する可能性が高い。
OIHは旧社名がOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)で、オランダに本社機能を設置する英領バミューダ諸島のVimpelComがエジプトのOrascom Telecom Holding (以下、OTH)を買収時にVimpelComが取得しない事業を分離および承継する目的で設立された。
なお、OTHはGlobal Telecom Holding (GTH)、VimpelComはVEONに社名を変更している。
OIHは移動体通信分野としては朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)、レバノン、エジプトの事業を承継したが、エジプトでは2015年に撤退を完了し、2020年にはレバノンからも撤退する見込み。
OIHはOTHの時代から移動体通信分野の事業を大幅に縮小しており、2018年に電気通信および技術分野を主軸とする企業から様々な分野で投資する企業に生まれ変わる戦略を反映して社名を変更した。
移動体通信分野の事業を縮小する中で、移動体通信分野の事業はレバノンから撤退すれば北朝鮮のみとなる可能性も生じたが、新たにアンゴラに参入することが決定的となった。
OIHがOTHの時代を含めて移動体通信事業者を新たに立ち上げる事例は2008年にkoryolink (高麗網)として商用化した北朝鮮のCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)以来となり、旧社名の時期も含めてOIHとしては初めて新たな移動体通信事業者を立ち上げることになる。
アンゴラでは2017年に38年にもわたる長期政権が終わりを迎え、新政権の発足に伴い電気通信分野の改革など各分野で新たな政策を打ち出している。
携帯通信サービスの人口普及率は40%前後と低い状況から、アンゴラ通信庁は3社目と4社目の移動体通信事業者を迎え入れる方針を固めた経緯がある。
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