日本における5G NRの周波数(2021年2月版)
- 2021年02月20日
- Report
日本では携帯電話事業者やローカル5Gに関する事業を行う事業体が第5世代移動通信システム(5G)を順次導入している。
携帯電話事業者としてはNTT DOCOMOが2020年3月25日、KDDIおよび同社の連結子会社であるOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)が2020年3月26日、SoftBankが2020年3月27日、Rakuten Mobile (楽天モバイル)が2020年9月30日に5Gの要求条件を満たすために規定されたNR方式に準拠した5Gサービスを商用化した。
当初は各社とも総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)より5G向けに割当を受けた新規の周波数を使用してきた。
ただ、一部の携帯電話事業者は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で使用する既存の周波数でもNR方式を導入しており、KDDIが2020年12月17日、SoftBankが2021年2月15日より既存の周波数を使用した5Gサービスを提供している。
また、総務省は2019年12月24日にローカル5Gを制度化しており、2019年12月24日よりローカル5Gの免許の申請を受け付けているが、2020年12月18日にはローカル5G向けの周波数を拡張した。
携帯電話事業者各社がNR方式を導入する周波数やローカル5G向けの周波数が拡大しているため、個人的な備忘録を兼ねて日本国内におけるNR方式で使用する周波数をNR Bandとともに記す。
KDDIとOkinawa Cellular Telephoneは地域ごとに連携する1の者として周波数の割当を受けており、両社を総称する場合はKDDI Groupと表記する。
2021年2月20日時点で携帯電話事業者各社がNR方式の導入を認められている周波数とローカル5G向けの周波数は下記の通りである。
– NTT DOCOMO
3600~3700MHz:n78
4500~4600MHz:n79
27400~27800MHz:n257
– KDDI Group
718~728MHz/773~783MHz:n28 (n28A/n28B) *
1710~1730MHz/1805~1825MHz:n3 *
3520~3560MHz:n78 *
3700~3800MHz:n78
4000~4100MHz:n77
27800~28200MHz:n257
– SoftBank
738~748MHz/793~803MHz:n28 (n28B) *
1750~1765MHz/1845~1860MHz:n3 *
3400~3440MHz:n77 *
3900~4000MHz:n77
29100~29500MHz:n257
– Rakuten Mobile
3800~3900MHz:n77
27000~27400MHz:n257
– ローカル5G
4600~4900MHz:n79
28200~29100MHz:n257
なお、n3およびn28がFR1のFDD、n77、n78、n79がFR1のTDD、n257がFR2のTDDのNR Bandとなる。
KDDIは3520~3560MHzのうち3520~3540MHzでNR方式を導入しており、3540~3560MHzをLTE方式のBand 42に残している。
n77またはn78とBand 42は動的に周波数を共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)が標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)の標準化されておらず、ダイナミックスペクトラムシェアリングを導入することはできない。
Band 42に対応した端末が少なくない状況で完全に転用すると既存の端末に影響を与えると想定されるため、n78とBand 42を20MHz幅ずつ運用していると思われる。
SoftBankの3400~3440MHzではn77またはn78の導入が可能であるが、先にn77を導入していたため、n77を導入することになったと考えられる。
キャリアアグリゲーション(CA)はすべての携帯電話事業者がn257I、またNTT DOCOMOはn78A-n79Aの組み合わせでも導入している。
*印は既存の周波数である。
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