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レバノンのOgeroが一部地域でサービス停止、電力の供給不足



レバノンの政府機関で国営の通信事業者であるOgeroは一部の地域で通信サービスの提供を停止したことが分かった。

電力の供給不足に伴い通信サービスの提供が困難となり、2021年6月10日以降に一部の地域で通信サービスの停止を余儀なくされたという。

少なくとも山岳レバノン県では5の自治体、南レバノン県では1の自治体、ベッカー県では2の自治体、ナバティエ県では2の自治体、合計で10の自治体が影響の対象区域となっている。

復旧に向けて一生懸命取り組んでいるが、時間を要する場合があると案内している。

レバノン全土で電力の供給不足が続く中で、Ogeroは発電機を運用して電力の確保に努めてきた。

しかし、前例がないほどの発電機の需要の高まりに伴い多くの発電機で故障が発生し、通信設備の稼働に必要な電力の確保が困難となった。

事前にOgeroの会長はアラブ首長国連邦(UAE)の報道機関による取材に対応し、レバノンの多くの地域で1日あたりの電力の供給時間が6時間未満になるほど状況が深刻化していることを明かした。

電力の供給不足の影響で間もなく大規模なインターネットの停止が発生し、重要なインフラストラクチャの機能が停止するかもしれないと懸念を表明していた。

翌朝にインターネットが停止していても驚かないようにと付け加えていたが、懸念が現実となった。

また、Ogeroの会長は発電機の調達にも努めているが、レバノンでは輸入が困難な状況で発電機および発電機の稼働に必要な燃料の輸入も難しく、もはや発電機を購入する意味がないとも述べていた。

追加で発電機を調達できず、故障した発電機の交換も困難な状況と思われる。

代替の手段は太陽光発電も検討したが、太陽光発電に必要な設備を調達するための資金や設置する場所も不足しており、太陽光発電の導入は現実的ではないという。

レバノンでは電力の供給不足が深刻化しており、様々な分野で停電に伴う影響が懸念されていた。

レバノン国内の発電所は設備の老朽化に伴い需要を満たせず、隣国のシリアからも断続的に電力を調達していたが、シリアの情勢も影響してシリアからは電力の調達が困難となっている。

電力、燃料、発電機などは高額な輸入に頼っているが、レバノンポンド(LBP)の大幅な下落と外貨不足を受けて電力や燃料などを含めたあらゆる品目の輸入が困難な状況に陥った。

すでに電力の供給不足に直面していたレバノンであるが、2021年5月14日の8時頃(東欧州夏時間)にはトルコの電力会社がレバノン政府による支払いの遅滞および発電船の差し押さえを理由としてレバノンに対する電力の供給を停止した。

レバノン全体の4分の1から3分の1ほどに達すると推定される規模の電力を供給していたトルコの電力会社がレバノンに対する電力の供給を停止したことで状況は一段と深刻化し、Ogeroが説明した通りに前例がないほど発電機の需要が高まった。

レバノンの国営の電力会社は主にクウェートやアルジェリアなどから燃料を調達しているが、2021年6月2日時点で確保した発電に必要な燃料は残り9日分と公表しており、さらなる電力の供給不足も懸念されている。

なお、Ogeroは固定通信事業を専門的に展開している。

固定通信用途の無線通信として第2世代移動通信システム(2G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)を導入した。

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