日本で6GHz帯の無線LANの制度改正、スマホでWi-Fi 6Eを利用可能に
- 2022年09月02日
- 携帯電話総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は5.2GHz帯の自動車内無線LANの導入に係る制度改正および6GHz帯の無線LANの導入に係る制度改正を実施した。
2022年9月2日付けで電波法施行規則等の一部を改正する省令(令和4年総務省令第59号)を公布および施行し、2022年9月2日より5.2GHz帯の自動車内無線LANおよび6GHz帯の無線LANを利用できる。
5.2GHz帯の自動車内無線LANは5150~5250MHzの周波数を使用した小電力データ通信システムとして運用できる場所に自動車内を追加している。
6GHz帯の無線LANは小電力データ通信システムとして新たに5925~6425MHzの周波数を規定した。
いずれも無線設備の技術基準を定め、特定無線設備として規定して技術基準適合証明などの対象となる。
6GHz帯の無線LANに関して一部の国および地域では5925~7125MHzを使用できるが、日本では5925~6425MHzの使用を許可することになった。
無線LANの規格のひとつであるIEEE 802.11axでは使用できる周波数を拡張し、2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯も使用できる。
Wi-Fi Allianceは6GHz帯のIEEE 802.11axをWi-Fi 6Eとして展開しており、すでにWi-Fi 6E認定プログラムを通過してWi-Fi 6Eに対応したスマートフォンなどの携帯端末は複数の携帯端末メーカーが製品化している。
ハードウェアとしてはWi-Fi 6Eに対応した携帯端末でも6GHz帯の無線LANの導入に係る制度整備が完了していない国および地域ではソフトウェアの制御によってWi-Fi 6Eを無効化して発売した事例もある。
例えば、台湾のASUSTeK Computer (華碩電脳)製のSmartphone for Snapdragon Insiders (EXP21 Smartphone)は機器名称をASUS_I007Dとして2021年6月30日付けで電波法に基づく工事設計認証を取得した。
ASUS_I007DはWi-Fi 6Eに対応し、一部の国および地域ではWi-Fi 6Eを使用できる。
しかし、日本では2021年6月30日時点で6GHz帯の無線LANの導入に係る制度整備を完了しておらず、6GHz帯の無線LANを使用できないため、ASUS_I007Dは無線LANの周波数として2.4GHz帯と5GHz帯で工事設計認証を取得し、日本ではWi-Fi 6Eを使用できない状態で発売した。
ハードウェアの仕様上はソフトウェアのアップデートで日本でもWi-Fi 6Eに対応できるが、実際に対応するかどうかはASUSTeK Computerの判断に委ねられる。
制度改正に伴い2022年9月2日より日本でも必要な認証を取得したことを前提として、Wi-Fi 6Eを使用できる携帯端末の販売が可能である。
携帯端末メーカー各社は日本でもWi-Fi 6Eに対応した携帯端末を順次発売すると思われる。
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