ソフトバンク衛星電話の通信障害はThuraya 3の故障が原因か、豪州ではサービス終了も
- 2024年05月10日
- SoftBank-総合
SoftBank Corp.が提供するソフトバンク衛星電話サービスの通信障害はアラブ首長国連邦(UAE)のAl Yah Satellite Communications Companyの子会社で同国のThuraya Telecommunications Companyが運用するThuraya 3の故障が原因と推定されることが分かった。
ソフトバンク衛星電話サービスでは2024年4月16日の1時30分頃から日本を含むアジア太平洋地域でサービスを利用できない事象が発生しており、SoftBank Corp.はThuraya Telecommunications Companyの通信設備の故障が原因と説明している。
アジア太平洋地域の他国でも同様の事象が発生しており、豪州(オーストラリア)のPivotel Groupが提供するPivotel Thuraya Serviceも2024年4月16日よりサービスを利用できない状況となった。
Pivotel Groupは詳細な情報も開示しており、豪州を含めたThuraya 3でカバーするエリアでサービスを利用できない状況で、Thuraya Telecommunications CompanyとしてはThuraya 3でサービスを利用できないと判断したという。
そのため、不可抗力規定に基づきThuraya Telecommunications Companyと締結した契約を終了するとともに、2024年4月15日を効力発生日としてPivotel Thuraya Serviceの提供を終了する扱いとした。
Thuraya 3は静止軌道(GEO)で運用する衛星で、周波数はLバンドを使用する。
米国(アメリカ)のThe Boeing Companyが建造しており、The Boeing CompanyがThuraya Telecommunications Company向けに建造した3番目の衛星となった。
2008年1月15日に打ち上げたため、設計寿命とされる12年から15年を超えて運用していた。
2020年にはThuraya Telecommunications Companyに代わりThe Boeing Companyが予想される動作寿命の評価および予想を行い、The Boeing Companyは2031年まで設計通りに動作すると結論付けていた。
Thuraya Telecommunications CompanyはThe Boeing Companyの結論を受けて2031年までにThuraya 3を置き換える方向を定めたが、置き換えを待たずにThuraya 3が機能不全に陥った。
次にThuraya Telecommunications Companyが打ち上げる衛星はフランスのAirbusが建造するThuraya 4-NGSで、当初はThuraya 2の置き換えを想定していたが、Thuraya 3の問題を解消できない場合はThuraya 3の置き換えに変更すると見込まれている。
当初の計画ではThuraya 4-NGSの打ち上げは2024年中で、2025年前半にサービスの提供の開始を想定している。
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