NECが世界初となるモバイル端末のみで情報配信ネットワークを構築する技術を開発
- 2013年12月05日
- その他国内携帯電話
NECはスマートフォン等のモバイル端末のみでLTE等のモバイルネットワークや無線LANアクセスポイントを使用せずに、多数の端末が集中した環境でも高速な情報配信を実現する自律ネットワークを構築する技術を世界で初めて開発したと発表した。
大規模災害で設備が崩壊した場合や、広域で通信の利用が不可となった場合には情報伝達が極めて困難となる。
また、イベントや主要駅等でも端末が集中した際に通信品質が極端に低下してネットワークに接続しにくくなる状況がある。
これらの問題を解決すべく、NECはモバイル端末の端末間通信のみで大規模かつ高速な情報伝達を可能にする技術を開発したとのことである。
これによって、通信インフラが途絶した場合や、端末が集中する過密環境下においても、高速で大容量なデータの配信や共有が可能となる。
この技術の特徴としては、多数の端末にデータ欠落のないマルチキャスト配信を実現、端末の過密環境下での通信速度低下を抑制、緊急性が高い情報を優先的に配信及び拡散としている。
データ欠落のないDTNマルチキャスト配信技術を世界で初めて実現したとのことで、送信側は従来と同じく一斉配信を行うだけで、多数の受信端末同士が配信途中のデータ欠落を補完し合うことで、過密環境下でも安定して大規模情報配信を可能とする。
過密環境下では通信速度が極端に低下する場合があるが、それを回避する技術も世界で初めて開発したという。
各端末に搭載したアプリケーションが電波の届く範囲に在圏する多数の端末の送信タイミングを自律分散的に制御することで、複数の端末からの同時送信を回避してパケットの衝突を抑制することで、過密環境下での通信速度低下を抑制する。
ネットワーク全体の状況を把握し、情報の優先度に応じて送信のタイミングを決定する技術も開発しており、緊急性が高い情報を優先的に配信して低遅延かつ広範囲に拡散することが可能となる。
NECはこれらの技術を総務省の委託研究である大規模災害時に被災地の通信能力を緊急増強する技術の研究開発の一環と進めてきた研究成果としている。
社会インフラネットワークに広く適用して安心かつ安全な情報配信ネットワークの実用化を目指し、快適な情報配信や共有の実現に貢献するとのことである。
・NEC。
http://jpn.nec.com/press/201312/20131203_01.html
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