米FCC、ファーウェイとZTEの通信設備を補助金対象外に
- 2019年11月25日
- 海外携帯電話
米国の政府機関で電気通信分野などの規制を司る連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)はユニバーサルサービス基金の補助金を使用して中国のHuawei Technologies (華為技術)および同国のZTE (中興通訊)から通信設備やサービスを購入することを禁止したことが分かった。
ユニバーサルサービス基金の補助金は主にルーラルエリアにおける小規模な通信事業者の支援などに使われてきた。
連邦通信委員会は2019年11月22日に年間85億米ドル(約9,254億円)にも達するユニバーサルサービス基金の補助金を使用して国家安全保障上の脅威をもたらす企業の通信設備やサービスを購入することを禁止する規則案を採択し、国家安全保障上の脅威をもたらす企業としてHuawei TechnologiesおよびZTEを指定したと発表した。
ユニバーサルサービス基金の補助金を使用してHuawei TechnologiesおよびZTEの通信設備やサービスを購入することを禁止したことになる。
また、ユニバーサルサービス基金の補助金を受け取る資格がある通信事業者に対しては、既存のHuawei TechnologiesおよびZTEから購入した通信設備やサービスを取り外し、他社の通信設備やサービスと交換することを要求できる規則も提案しているという。
連邦通信委員会はHuawei TechnologiesおよびZTEが中国政府などと密接な関係を有すると指摘しており、中国企業に情報提供を義務付ける中国の法律の対象となる点も懸念している。
米国では主要な通信事業者は基本的にHuawei TechnologiesおよびZTEから通信設備やサービスを購入していないが、主要な通信事業者はユニバーサルサービス基金の補助金を受け取る対象外であるため、連邦通信委員会の決定による影響はほとんど受けないと考えられる。
一方、Huawei TechnologiesおよびZTEの通信設備やサービスは北欧などの同業他社のそれより低廉とされており、米国でもルーラルエリアの小規模な通信事業者ではHuawei TechnologiesおよびZTEの通信設備やサービスを導入している場合が少なくない。
小規模な通信事業者にとってHuawei TechnologiesおよびZTEから通信設備やサービスの調達が不可となり、さらに取り外しや交換まで要求されることになれば、より重い負担を強いられる可能性がある。
ただ、連邦通信委員会は小規模な通信事業者におけるHuawei TechnologiesおよびZTEの採用状況などの情報収集を実施し、取り外しや交換を支援するためのプログラムを講じる方針も示している。
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