サウジアラビア政府系のPIF、インド最大手のJioに出資へ
- 2020年06月28日
- 海外携帯電話
インドのReliance Industriesは同社の子会社であるJio PlatformsがサウジアラビアのPublic Investment Fundより出資を受け入れると発表した。
Reliance IndustriesとPublic Investment Fundの合意に基づき、Public Investment FundはReliance Industriesより1,136億7,000万インドルピー(約1,590億3,183万円)でJio Platformsの株式の2.32%を取得する予定である。
Jio Platformsには米国のFacebookを皮切りに、Public Investment Fundを含めた11の事業体が出資を決定しており、中東の事業体としてはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府が所有するAbu Dhabi Investment Authority (アブダビ投資庁:ADIA)や同じくアブダビ政府が所有するMubadala Investment Companyも含まれる。
Jio Platformsはインドで通信事業を展開しており、主要な子会社としてインドの移動体通信事業者(MNO)であるReliance Jio Infocommを擁する。
Reliance Jio Infocommは2016年9月5日にJioのブランド名で移動体通信事業者として新規参入しており、インドでは新興の移動体通信事業者と言える。
期間限定で携帯通信サービスを無料で提供したほか、携帯端末を実質無料で配布したことなどで多くの顧客を集め、加入件数は3億8,800万件以上となった。
競争が激化するインドで一人勝ちの状態となり、加入件数は急増を続けて2019年中にインド最大の移動体通信事業者に成長した。
当初の計画より新規参入の時期こそ延期したが、新規参入から3年強でトップまで上り詰めた。
インド全土で高速な第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式を迅速に整備しており、無料期間が終了して一部の料金プランの値上げを実施後も顧客の引き留めに成功している。
Public Investment Fundはサウジアラビア政府系ファンドで、移動体通信関連では加入件数を基準にサウジアラビア最大の移動体通信事業者でstcとして展開するSaudi Telecom Companyを所有する。
また、Saudi Telecom Companyは子会社でバーレーンのstc BahrainやクウェートのKuwait Telecommunications Companyを通じてバーレーンやクウェートでも移動体通信事業を手掛ける。
ほかにマレーシアの移動体通信事業者であるMaxis Broadbandにも出資しているほか、エジプトの移動体通信事業者であるVodafone Egypt Telecommunicationsを取得する計画である。
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