AGCとチェコのT-Mobile Czech Republic、ガラスアンテナを試験
- 2020年12月12日
- 海外携帯電話
AGCの完全子会社でベルギーのAGC Glass EuropeとドイツのDeutsche Telekomの完全子会社でチェコの移動体通信事業者(MNO)であるT-Mobile Czech Republicはモバイルネットワーク用のガラスアンテナを使用した通信試験を2020年第3四半期に実施したと発表した。
AGC Glass EuropeとT-Mobile Czech Republicが実施した通信試験ではAGCが日本で開発した窓を基地局化するガラスアンテナであるWAVEATTOCHを使用したという。
また、欧州でWAVEATTOCHを使用した初めての事例と案内している。
欧州ではモバイルネットワークの構築において特に人口密度が高い地域で大きな課題が残っており、従来のように施設の外壁にアンテナを設置する場合は時間や費用を多く要するほか、歴史的な都市部の文化遺産の景観を保護する観点から従来のアンテナは設置が困難な場合がある。
そこで、AGC Glass EuropeとT-Mobile Czech Republicは景観を保護したうえでモバイルネットワークを構築できるガラスアンテナを使用して通信試験を実施した。
ガラスアンテナはチェコの首都・プラハに所在するT-Mobile Czech Republicの本社の地上から約10mの窓などに設置しており、通信試験では良好な結果を得たという。
通信方式は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で、2×2 MIMOに対応しており、周波数は1.8GHz帯および2.1GHz帯で動作する。
LTE Bandは1.8GHz帯がBand 3、2.1GHz帯がBand 1となる。
なお、T-Mobile Czech Republicは第5世代移動通信システム(5G)のNR方式も導入しており、LTE方式と周波数を動的に共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)を実装して1.8GHz帯および2.1GHz帯でNR方式も運用している。
NR Bandは1.8GHz帯がFR1のn3、2.1GHz帯がFR1のn1である。
AGCはNTT DOCOMOと共同でガラスアンテナを開発しており、すでにNTT DOCOMOが商用の4Gおよび5Gの整備でガラスアンテナを導入したことが分かっている。
T-Mobile Czech Republicが商用でガラスアンテナを導入する計画などは公表されていない。
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