NEC、ドイツのDeutsche Telekomに5Gアンテナ一体型無線装置を供給
- 2021年06月30日
- 海外携帯電話
NEC Corporation (日本電気)および同社の英国法人であるNEC EuropeはドイツのDeutsche Telekomと協力してドイツのO-RANタウンでオープン無線アクセスネットワーク(オープンRAN)を適用した第5世代移動通信システム(5G)を展開すると発表した。
O-RANタウンのプロジェクトは将来の大規模なオープンRANの展開に向けて、特定の地域でオープンRANを先行して展開するプロジェクトである。
ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン州ノイブランデンブルクをO-RANタウンとして指定し、オープンRANを適用して整備したネットワークを通じてノイブランデンブルクに居住する約65,000人に携帯通信サービスを提供する計画という。
NEC Corporationの役割は基地局を構成する子局である無線装置(RU)の提供となる。
無線装置は大規模MIMO (Massive MIMO)に対応した5Gのアンテナ一体型無線装置で、高度なビームフォーミング技術を適用したほか、O-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠している。
また、米国のMavenir Systemsと協力しており、Mavenir Systemsは親局の集約ノード(CU)および分散ノード(DU)をソフトウェアとして提供する。
NEC CorporationおよびMavenir Systemsの専門家は共同でオープンRANを適用した5Gの相互運用、商用環境および試験環境でエンドツーエンドの機能面と運用面のパフォーマンスなどの包括的な検証および最適化を提供し、欧州でオープンRANを適用した5Gを商業的に展開するために完全に準備するという。
O-RANフロントホールインタフェース仕様はオープンRANの仕様策定を推進する標準化団体のO-RAN Allianceで策定したO-RANの標準仕様である。
O-RANの標準仕様に準拠した場合は異なるベンダが提供する子局と親局を接続できるため、様々なベンダを組み合わせて柔軟なネットワークの構築が期待されている。
なお、Deutsche Telekomは世界各地で携帯通信事業を展開しており、ドイツでは完全子会社のTelekom Deutschlandが移動体通信事業者(MNO)として携帯通信事業を行う。
そのため、Telekom DeutschlandがNEC Corporationの無線装置を使用してドイツで5Gを整備することになる。
スポンサーリンク