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トルクメニスタンの携帯電話事業者Economy Society MTS-Turkmenistanが事業閉鎖の危機



ロシアのMobile TeleSystems (以下、MTS)の全額出資子会社でトルクメニスタンの移動体通信事業者であるEconomy Society MTS-Turkmenistanは事業閉鎖の危機に瀕していることが分かった。

Economy Society MTS-Turkmenistanは携帯電話事業免許の満期が迫っているが、携帯電話事業免許の延長に難航しているという。

2017年5月中旬よりEconomy Society MTS-Turkmenistanとトルクメニスタン当局は携帯電話事業免許の延長に関する交渉を行っているが、合意には至っていないと伝えられている。

ライセンスの延長は2017年7月1日までに合意する必要があり、それまでに合意に至らなければ事業閉鎖に追い込まれる可能性が高い模様である。

仮にライセンスの延長が認められなければ、MTSとしては4年半ぶり2度目のトルクメニスタンからの撤退となる。

MTSは2005年6月にBarash Communications Technologies, Inc. (以下、BCTI)を買収してトルクメニスタンに参入し、2010年11月にはW-CDMA方式による3Gサービスを導入したが、翌月の2010年12月にはトルクメニスタンの政府機関で電気通信分野を管轄する通信省(Ministry of Communication)が携帯電話事業免許を剥奪したため、強制的にトルクメニスタンから撤退させられた。

通信省は携帯電話事業免許を剥奪した理由を通知しておらず、新規参入時に締結したMTS、BCTI、通信省の合意に違反するとして、MTSは国際仲裁裁判所にトルクメニスタン政府を相手に提訴した。

携帯電話事業免許の剥奪はエネルギー問題でロシア政府とトルクメニスタン政府の関係悪化が影響したとの見方、BCITの優勢な状況をトルクメニスタン政府が不満に感じたとの見方が強く、トルクメニスタン政府にとって不都合な理由であるため通信省は携帯電話事業免許を剥奪した理由を通知できなかったと思われる。

2012年にはMTSと通信省が和解に達し、2012年8月よりEconomy Society MTS-TurkmenistanとしてBCTIの設備を再利用して事業を再開したが、再開当初より3Gサービスのライセンスを保有するにも関わらず、通信省が3Gサービスの導入を認めないなど問題も発生していた。

2015年6月30日にはEconomy Society MTS-Turkmenistanの加入件数が160万件、市場占有率は30%に達したが、再び事業閉鎖となる可能性がある。

Economy Society MTS-Turkmenistanの競合企業はトルクメニスタン政府の国営企業であるが、トルクメニスタン政府は料金が高く質が低い国営企業の携帯電話サービスを保護するためにEconomy Society MTS-Turkmenistanを撤退させるとの見方も出ている。

また、Economy Society MTS-Turkmenistanの従業員に対しては、事業閉鎖を想定して再就職先を探すよう告知している模様である。

Chronicles of Turkmenistan

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