タイ当局、SIMカードの再登録の義務化を計画
- 2018年03月25日
- 海外携帯電話
タイの政府機関で電気通信分野などを管轄する国家放送通信委員会(National Broadcasting Telecommunications Commission:NBTC)はSIMカードの再登録を義務化を計画していることがタイメディアの報道で分かった。
再登録の義務化は移動体通信事業者(MNO)および仮想移動体通信事業者(MVNO)に対して財務および人的資源に大きな負担を与える懸念も指摘されているが、巧妙化する不正行為を阻止するために適切な登録のシステムが必要と主張しており、国家放送通信委員会は新しい規則のもと生体情報を含めた再登録の義務化を実施する方針という。
新しい規則の草案ではすべての移動体通信事業者および仮想移動体通信事業者は規則の施行から180日以内にすべてのSIMカードの再登録を完了するよう規定しており、SIMカードを新規販売する場合はタイ全土の約50,000の取扱店で新しい規則に基づいて登録を実施しなければならない。
家族にSIMカードを与える場合や企業が従業員にSIMカードを与える場合など、登録手続きの実施者と実際の利用者が異なる場合を想定した内容も草案に盛り込まれる。
また、新しい規則では違反時の罰則を厳しくする可能性が高く、移動体通信事業者および仮想移動体通信事業者の取扱店が登録時に誤情報の登録など不備があれば、その責任は取扱店の監督義務を負う移動体通信事業者および仮想移動体通信事業者が責任を負うと規定される模様である。
負担の大きさや罰則の不公平感から、すべての移動体通信事業者は新たな規則の草案に難色を示しているという。
国家放送通信委員会は2018年4月中に草案の最終化と承認を目指す方針と伝えられている。
タイではすでにSIMカードを利用するにあたり、利用者情報の登録を義務化およびその内容を厳格化しているが、プリペイドの場合は未登録の状態でも開通できてしまうなど、十分な体制が整備されていない状況にある。
なお、日本の商用メディアでもタイの移動体通信事業者が提供する国際ローミングに適したSIMカードを正規取扱店ではない販売業者から購入して未登録でも手軽に使えると紹介する記事も見られるが、それは不正行為を助長する行為と言える。
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