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CDMA版iPhone 4がauから出ないと考える理由



※追記あり
☆追記☆ 2011/09/22 23:00
KDDIは2011年4月に旧800MHz帯に非対応の端末を投入し、2011年秋冬モデルでも旧800MHz帯に非対応の端末を複数投入することが分かっている。
状況は変化しており、新800MHz帯と2GHz帯のデュアルバンドの端末がKDDI向けに投入されても不思議ではなくなった。
詳細は下記の関連記事を参照してもらいたい。

■関連記事
・iPhone 5がKDDIから登場しても不思議ではないと考える理由
http://ameblo.jp/povtc/entry-11026217174.html
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長らく噂が絶えることのなかったCDMA2000方式の通信に対応したiPhone 4(型番A1349)が発表された。
このCDMA版iPhone 4はVerizon Wireless向けに投入される端末だ。
Verizon Wirelessは3Gネットワークの通信方式にCDMA2000方式を採用しており、CDMA2000方式は日本でもKDDIが採用している。
そしてCDMA版iPhone 4が発表されたことを受けて、KDDIの携帯電話ブランドau向けにもCDMA版iPhone 4が投入されることを期待させるような記事を書くメディアも見られる。
皆さんは、CDAM版iPhone 4がauから出ると考えているだろうか?
とりあえず、俺の答えは“No”だ。
まず、一つ目の理由はUIMスロットを搭載していないことだ。
CDMA2000は基本的にR-UIMカードを採用していないキャリアが多いのだ。
UIMスロットを搭載していなければ、当然ながらCDAM版iPhone 4にauのR-UIMカード(au ICカード)を挿入することは出来ない。
だが、初期のauのWIN端末はUIMスロットを搭載していなかった。
CDMA W32HとCDMA W32Sが初めてau向けでUIMスロットを搭載した端末であり、それ以前のau向け端末は全てUIMスロットを搭載しておらず端末に情報を書き込む方式であった。
ということなので、仮にUIMスロットを搭載していなくてもau向けに投入することは不可能ではないのである。
まぁ、他の端末と違ってUIMスロットがないと、UIMスロットを搭載している端末より導入が少し面倒になるとは思うが…
これだけの理由では説得力に欠けることは分かっている。
最大の理由は2つ目の理由だ。
それは周波数だ。
CDMA版iPhone 4の仕様はApple Inc.公式ホームページでも公開されている。
技術仕様のCDMA modelの対応周波数の欄には“CDMA EV-DO Rev. A (800, 1900 MHz)”と記載されている。
モバイルネットワークはCDMA2000 1900/800MHzのみに対応していることが分かるでしょう。
実はKDDIが採用している周波数もCDMA2000 1900/800MHzなのであるが、ここからが問題なので詳しく見ていこうか。
まずは、1900MHz帯から。
auが採用している1900MHz帯は移動局送信の周波数が1926.25MHz~1938.75MHzである。
CDMA版iPhone 4が対応している1900MHz帯の移動局送信の周波数は1851.25MHz~1908.8MHzである。
同じ1900MHz帯であるが、どちらかが内包されているわけでもなく互換性はない。
因みに、基地局送信はKDDIが2116.25MHz~2128.75MHzで2100MHz帯を使っており、CDMA版iPhone 4が対応するVerizon Wirelessは1930MHz~1990MHzで1900MHz帯を使っているので全く互換性がないことが分かる。
次に 800MHz帯だ。
KDDIは従来の800MHz(当記事では以下、旧800MHzと呼称)と新800MHzの2つの800MHz帯を使用していることは有名な話だろう。
これも有名な話であるが、旧800MHzは海外で使用されている800MHz帯とは上りと下りの周波数が逆転しているため互換性はないのである。
auの新800MHzの移動局送信の周波数は824.76MHz~829.23MHzである。
CDMA版iPhone 4が対応している800MHz帯(日本で言う新800MHz帯)の移動局送信の周波数は824.7MHz~848.81MHzである。
824.76MHz~848.81MHzで使用可能である。
そう、auの新800MHz帯でCDMA版iPhone 4が使えるのだ。
実際にVerizon Wireless公式ホームページに記載されているFAQにも国際ローミングでの使用可能地域に日本と記載されているのだ。
日本での国際ローミングはauの新800MHz帯を使うと理解して間違いない。
ここからが重要だ。
使えると言っても、KDDIが採用しているCDMA2000 1900(上りは2100MHz帯)/新800/旧800MHzのうち新800MHzのみである。
しかも、その新800MHzはdocomoのPDC方式の通信サービスが終了する2012年3月までは15MHz幅のうち5MHz幅しか使用出来ないのである。
仮に、auからCDMA版iPhone 4が出たらそれなりに売れるだろう。
しかもスマートフォンはPCサイトを閲覧したり高画質動画を視聴したりと大容量通信をする機会が多いのである。
大容量通信が見込まれる端末が売れるとなるとトラヒック負荷が増大することは容易に考えられる。
しかも新800MHzの5MHz幅の帯域しか使えないとなると輻輳が起こり易くなることが懸念される。
それに加えて、KDDIの1900MHz帯(上りは2100MHz帯)と旧800MHz帯のエリアでは使用不可であるためエリアの不安も生じてくるのである。
KDDIの1900MHz帯(上りは2100MHz帯)と旧800MHz帯では使えないために使用可能なエリアが限定され、しかも唯一使用可能な新800MHz帯では輻輳が懸念される…
そんな端末を出すと思うか?
俺の答えは“No”だ。
以上のことより、今回発表されたCDMA版iPhoneがauに投入されることはないと考えているのだ。
注1:当記事の“CDMA版iPhone 4”はモデル番号“A1394”を指す。
注2:移動局送信の周波数は日本の総務省及び米国の連邦通信委員会を参考にした。
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“CDMA版iPhone 4がauから出ないと考える理由” への4件のフィードバック

  1. a より:

    SECRET: 0
    PASS:
    上下逆になってる旧800MHz帯は来年7月までに免許返上することが決まってるから
    今は海外と同じ帯域の使い方になってる新800MHz帯の整備を進めていて
    すでに新800MHz帯の基地局の方が旧800MHz帯のより多くなっている

  2. ぱおぱお より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >aさん
    基地局の数は旧800MHz帯より新800MHz帯の方が多いのは知っています。
    基地局の設置環境等も異なるので、一概に基地局数でエリアを語ることは出来ないんですけどね。
    あと、KDDIが使っている1900MHzも使えないんですよ。
    要するに、日本では新800MHzのみしか使えないということになるでしょう。
    しかも、帯域幅が5MHz。
    すぐに輻輳が起こりそうですね。

  3. カクイわた より:

    SECRET: 0
    PASS:
    局数が新800の方が多いのは基地局間隔を従来の半分程度にしているからです。現在は作りかけの高速道路のようなもので、未完成エリアでは不安定で使いものにならないでしょう。

  4. ぱおぱお より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >カクイわたさん
    基地局間隔を従来の半分程度にしているというのは知らなかったです。
    やはり、全国で実用的に使える状態ではないんですよねぇ…

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