1億件以上も顧客減少したインドのVodafone Idea、異例のVodafoneブランド廃止
- 2020年09月08日
- 海外携帯電話
インドの移動体通信事業者(MNO)であるVodafone Ideaはブランドを刷新すると発表した。
事業運営が厳しい状況のVodafone Ideaであるが、ブランドを刷新して再建を図るという。
Vodafone IdeaはインドのAditya Birla Groupの子会社でインドの移動体通信事業者であったIdea Cellularと英国のVodafone Groupの子会社でインドの移動体通信事業者であったVodafone Indiaが合併して誕生した移動体通信事業者である。
2018年8月31日にIdea Cellularを存続会社、Vodafone Indiaを消滅会社とする吸収合併方式で合併を完了し、同時に社名をIdea CellularからVodafone Ideaに変更している。
インド電気通信規制庁(Telecom Regulatory Authority of India:TRAI)が公表する移動体通信サービスの加入件数と占有率の数値を参照すると、合併の完了時は加入件数が約4億4,200万件で、占有率は37.85%に達した。
合併の直前はVodafone Indiaが8社のうち3位、Idea Cellularが同じく4位であったが、合併が完了直後のVodafone Ideaは7社のうち1位となった。
しかし、その後はインドで最大級の規模となる大幅な純減が続いており、2020年5月時点では加入件数が約3億1,000万件まで減少し、占有率は27.09%で6社のうち3位まで転落している。
合併の完了時のほぼ30%に相当する約1億3,200万件も純減したことになる。
合併の完了後はIdea Cellularの時代から展開していたIdeaとVodafone Indiaが展開していたVodafoneの両ブランドを維持しており、ルーラルエリアではIdea、アーバンエリアではVodafoneの支持が比較的高い傾向が見られた。
しかし、競争の激化で大量の顧客を失い、さらに免許料の支払いなどで業績や財務状況が厳しくなる中で、VodafoneとIdeaの印象も悪化しており、さらなる顧客離れを招いている。
そこで、Vodafone Ideaは両ブランドの継続を断念し、2020年9月7日よりVodafoneとIdeaの頭文字に由来するViに刷新しており、発音は私達を意味する英単語のweと同じである。
ブランドの刷新後はVodafoneのロゴも使用しない。
Vodafone Groupの子会社や関連会社は一部を除いて基本的にVodafoneやVodacomまたはVodafoneを含むブランドで展開し、Vodafoneのロゴを使用しているが、Vodafone IdeaはVodafone Groupの関連会社としてはVodafoneのブランドとロゴともに廃止する異例の措置に踏み切った。
なお、Vodafone Ideaに対する持分比率はVodafone Groupが44.39%、Aditya Birla Groupが27.66%となっている。
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