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LGエレクトロニクスがすべての可能性の検討、スマホ事業の撤退報道で



韓国のLG Electronics (LG電子)はスマートフォン事業の撤退に関する報道を受けて従業員に電子メールで状況を伝えたことが分かった。

LG Electronicsのスマートフォン事業に関しては2021年上旬頃より撤退の観測が韓国の報道機関を中心に報じられており、撤退の報道を受けてLG Electronicsでスマートフォンをはじめとした携帯端末の設計、開発、製造、販売などを行うMC (Mobile Communications)事業本部の社長がMC事業本部の従業員に対して電子メールで状況を説明したという。

韓国の報道機関が電子メールの内容を公表しており、MC事業本部の現状が判明している。

まず、製品ポートフォリオの改善、製造拠点の見直し、革新的な製品の発売など事業運営の正常化のために努力してきたが、MC事業本部は2015年第2四半期から2020年第4四半期まで連続で赤字を記録し、2020年第4四半期までに営業損失は累計で5兆韓国ウォン(約4,709億円)に達したと厳しい現状を認めた。

また、グローバルでスマートフォンをはじめとする携帯端末分野の競争が激化しており、現在と未来の競争力を冷静に判断して最善の選択をしなければならない状況に至ったため、すべての可能性を綿密に検討していると説明した。

MC事業本部の従業員に対するメッセージとして、事業運営の方向がどのように決まっても原則として雇用は維持するため、不安になる必要はなく、事業運営の方向が決定すれば迅速に通知すると伝えた。

撤退の報道を否定せずに検討の選択肢に入っていることを示唆したため、韓国の報道機関などは撤退も視野に入れて検討中との受け止めが多く、LG Electronicsのスマートフォン事業を買収する企業を予測する報道まで出ている。

第5世代移動通信システム(5G)の通信技術などはスマートフォン以外の製品にも活用できるため、完全にスマートフォン事業から撤退するわけではなく、事業規模の大幅な縮小になるとの見方もある。

LG Electronicsの業績を見ればMC事業本部が相当厳しい状況であることは火を見るより明らかで、普通ならばより早い段階で撤退を検討しても不思議ではない。

ただ、LG Electronicsは家電製品がインターネットに繋がる時代にコントローラの役割としてスマートフォンが重要と認識し、家電製品が好調なLG Electronicsはスマートフォン事業を継続する方針を示してきた。

MC事業本部の改善に向けて韓国ではスマートフォンの製造を終了し、製品ラインナップの見直しなども実施したが、それでもMC事業本部が改善することはなかった。

2021年1月26日にはLG Electronicsが何らかの発表を実施するとの報道も出ており、動向を注視しておきたいところである。

朝鮮日報

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