Loxpac (Thailand)の2020年通期の業績が判明、北朝鮮のSUNNETを整備

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タイのLoxpac (Thailand)の2020年通期における業績が判明した。

2020年12月31日に終了した12ヶ月間となる2020年通期の売上高は前年同期比100%減の0タイバーツ(0円)、当期純損失は前年同期比83.3%増の5,500万タイバーツ(約1億9,422万円)となった。

Loxpac (Thailand)は2018年3月30日に開催した2018年第1回定時株主総会で解散を承認する議案を可決しており、翌日の2018年3月31日より操業を停止したことが公表されている。

2021年3月23日時点では解散および清算の手続きを進めていることが分かっている。

2019年12月31日に終了した12ヶ月間となる2019年通期の売上高は前年同期比87.3%減の202万タイバーツ(約713万円)で、操業を停止後も売上高が発生していた。

ただ、2019年12月31日までに権利義務などの売却を完了したため、2020年1月1日以降は売上高が発生しない状態と考えられる。

2020年12月31日時点の総資産は前年同期比30.3%減の1億2,900万タイバーツ(約4億5,554万円)、総負債は前年同期比100%減の0タイバーツである。

Loxpac (Thailand)は旧社名がLoxley Pacificで、本社はタイの首都・バンコク都のバーンラック区に所在する。

朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)における電気通信事業が主要事業となる。

タイのLoxleyは1995年9月に北朝鮮の経済貿易地帯である羅先特別市で唯一の電気通信事業者として参入するための営業権を北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を司る逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications：MPT)より取得し、1998年までに羅先特別市で携帯電話サービスを提供することでも合意していた。

Loxleyは北朝鮮の電気通信分野に投資するためにLoxley Pacificを設立し、さらにLoxley Pacificは1996年9月に羅先特別市で逓信省が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社：以下、KPTC)と合作企業としてNorth East Asia Telephone and Telecommunications (東北アジア電話通訊会社：以下、NEAT&T)を設立した。

NEAT&Tに対する出資比率はLoxley Pacificが70%、KPTCが30%である。

NEAT&Tは羅先特別市の南山洞に位置する羅先国際通信センター(RASON INTERNATIONAL TELECOMMUNICATION CENTRE)に本社が所在し、北朝鮮における免許人かつ事業会社として機能する。

1998年7月には羅先特別市に限定して第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式による携帯電話サービスの免許を取得したが、1998年までに携帯電話サービスを商用化できなかった。

整備の対象地域を拡大して2002年11月11日に首都・平壌直轄市および羅先特別市でSUNNETとして携帯電話サービスを商用化しており、北朝鮮で最初の移動体通信事業者(MNO)となった。

SUNNETはGSM方式で整備しており、900MHz帯の周波数を使用していた。

携帯電話サービスを終了後は羅先特別市に限定して携帯電話サービスの代理店事業、スマートフォンをはじめとした携帯端末の販売や修理など携帯電話関連の業務を継続している。

2013年後半には社名をLoxley PacificからLoxpac (Thailand)に変更した。

Loxpac (Thailand)の操業の停止に伴いNEAT&Tに関する権利義務はKPTCが承継することになった。

なお、KPTCはKANGSONG NET (強盛網)として独自の携帯通信サービスを運営している。

KANGSONG NETでは第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式を採用し、周波数は2.1GHz帯(Band I)を使用する。