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Loxpac HKの2020年通期の業績が判明、北朝鮮のSTAR JOINT VENTUREを運営

  • 2021年03月28日
  • DPRK


香港特別行政区のLoxpac Hong Kongの2020年通期における業績が判明した。

2020年12月31日に終了した12ヶ月間となる2020年通期の売上高は前年同期比38.6%減の282,728米ドル(約3,099万円)、当期純利益は前年同期比69.1%増の1,800万米ドル(約2,192万円)となった。

2019年12月31日に終了した12ヶ月間となる2019年通期は前年同期比で黒字転換を果たしており、2020年通期は最終黒字を維持している。

また、2020年12月31日時点の総資産は前年同期比8.7%増の1,800万米ドル(約19億7,305万円)となり、総負債は前年同期比8.7%減の900万米ドル(約9億8,653万円)である。

Loxpac Hong Kongは朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)でインターネットサービス関連事業を開始するために香港特別行政区で2009年7月16日にLoxley Pacific Hong Kongとして設立された。

2014年9月15日に社名をLoxley Pacific Hong KongからLoxpac Hong Kongに変更しており、本社は香港特別行政区の銅鑼湾(コーズウェイベイ)に所在する。

英語と中国語を公用語とする香港特別行政区で登記した会社は英文社名と中文社名を登録できるが、Loxpac Hong Kongは中文社名を登録していないため、唯一の正式な社名がLoxpac Hong Kongとなる。

北朝鮮の政府機関で電気通信分野などの規制を司る逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)より北朝鮮におけるインターネットサービスプロバイダ(ISP)の営業権を取得し、2010年に逓信省が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:以下、KPTC)と共同でSTAR JOINT VENTUREを設立した。

STAR JOINT VENTUREに対する出資比率はLoxpac Hong Kongが70%、KPTCが30%となり、本社は首都・平壌直轄市の普通江区域柳京洞に所在する。

Loxpac Hong KongとKPTCが共同で運営するSTAR JOINT VENTUREは北朝鮮における免許人かつ事業会社として機能しており、インターネットサービスプロバイダの免許を取得して2010年10月10日よりインターネットサービスを提供している。

インターネットサービスプロバイダの免許は独占権付きで有効期間が2010年から2025年の15年間となっている。

北朝鮮では一般には国家網と呼称されるイントラネットサービスの利用が拡大しているが、インターネットサービスは主に外国人や一部の国家機関の関係者が利用する。

外国人の利用を想定して北朝鮮各地の宿泊施設ではビジネス用途で有線LANによるインターネットサービスを提供するほか、一部の宿泊施設などでは短期滞在者向けに無線LANによるインターネットサービスの整備も進めている。

なお、平壌直轄市の平川区域鞍山洞に所在する普通江旅館(POTONGGANG HOTEL)では10分当たり10人民元(約168円)で無線LANによるインターネットサービスを利用できる。

Loxpac Hong Kongの業績を参照すると2020年通期は前年同期比で減収を記録したが、要因のひとつとして外国人によるインターネットの需要の低下が考えられる。

北朝鮮では2020年1月22日より入国制限を継続しており、原則として新規に入国できないため、インターネットの需要も停滞していると思われる。

基本的にインターネットの需要とLoxpac Hong KongおよびSTAR JOINT VENTUREの業績は連動することになる。

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