エチオピア当局が新規参入MNOを再募集、MTN Groupは不参加を決定
- 2021年08月15日
- 海外携帯電話
エチオピアの独立機関で電気通信分野の規制を担当するエチオピア通信庁(Ethiopian Communications Authority:ECA)は2社目の新規参入する電気通信事業者を選定すると発表した。
すでにエチオピア通信庁は新規参入する電気通信事業者の選定を実施しており、ケニアの移動体通信事業者(MNO)であるSafaricomの子会社でエチオピアのSafaricom Telecommunications Ethiopiaに電気通信事業の免許を交付している。
そのため、再び新規参入する電気通信事業者を募集することになる。
エチオピア政府は経済改革プログラムの一環として通信分野の自由化を決定し、2社の電気通信事業者の新規参入を受け入れるほか、エチオピアで唯一かつ国営の電気通信事業者であるEthio Telecomの部分民営化を実施することになった。
Ethio Telecomの部分民営化に向けた取り組みはエチオピアの政府機関である財務省(Ministry of Finance)が主導して開始しており、すでに関心表明の提出を受け付けた。
並行して2社目の新規参入する電気通信事業者を募集することになり、2社目の新規参入する電気通信事業者の選定は1社目と同様にエチオピア通信庁が主導し、2021年8月中に選考を開始する予定である。
免許の範囲には電気通信事業全般が含まれるが、基本的に移動体通信事業者として行う携帯通信事業が中心となる見通し。
1度目の選考では南アフリカのMTN Groupが完全子会社でモーリシャスのMTN International (Mauritius)を通じて中国の政府系ファンドであるSilk Road Fund (糸路基金)と提携して参加したが、電気通信事業の免許を取得することができなかった。
MTN Groupは2021年前半の業績報告に合わせてエチオピアに言及しており、選考に参加する機会を与えたエチオピア当局や協力した会社に感謝を表明するとともに、さらなる選考は不参加を決定したと明確化した。
不参加を決定した具体的な理由は公表していないが、ティグレ州(ティグライ州)、アムハラ州北東部、アファール州北西部などエチオピアの北部地域では緊張が高まっており、エチオピアの政情不安が進行している。
エチオピアの情勢は少なからずMTN Groupの意思決定に影響を与えたと思われる。
MTN Groupは中東および南アジアの携帯通信事業から順次撤退し、アフリカの携帯通信事業に集中する方針のもとでエチオピアに参入する機会を模索してきた。
しかし、エチオピアに参入しないことが確定した。
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