破産危機のPantech、韓国3キャリアの営業停止が大打撃に
- 2014年07月12日
- 海外携帯電話
韓国のPantechは経営難に陥り、破産危機の状況となっている。
企業再建プログラムであるワークアウトを継続するために、債権団はPantechに3000億ウォンを出資転換することを示しているが、その条件として韓国の移動体通信事業者3社が1800億ウォンを出資転換することを盛り込んでいる。
ただ移動体通信事業者3社は出資転換に難色を示しており、Pantechの幹部が緊急記者会見を開催して頭を下げるほどになっている。
2011年の時点では売上高が2兆9820億ウォン、営業利益が2184億ウォンと好調な成績を残していたのであるが、Samsung ElectronicsやLG Electronicsとの競争が激化したことで経営が傾いてきた。
2013年には赤字が3000億ウォン近くまで膨らんだ。
Pantechはこれまでにも何度か経営状態が悪くなり、ワークアウトは今回が2度目であるが、今回は今まで以上に厳しい状況に置かれている。
移動体通信事業者3社が出資転換を拒否すれば、事実上の倒産となる可能性が高いと見られているのである。
そんなPantechであるが、実は2014年の1~2月は小幅ながらも黒字を記録していた。
しかし、移動体通信事業者3社に対する営業停止処分がPantechにとってはあまりにも大きすぎる打撃となってしまったのである。
営業停止は過剰な補助金の支給が原因で、主要な原因は移動体通信事業者3社である。
そのため、未来創造科学部は移動体通信事業者3社に営業停止処分を命じた。
処分の期間はSK Telecomが2014年4月5日~2014年5月19日、KTが2014年3月13日~2014年4月26日、LG U+が2014年3月13日~2014年4月4日と2014年4月27日~2014年5月18日で、2014年3月13日~2014年5月19日の間は1社のみしか営業をできなかった。
Panetchは経営難の影響で、海外展開を縮小して韓国市場に絞ったのであるが、その韓国市場で営業停止の影響を受けてその期間中は市場規模が60%も縮小したとの調査もある。
韓国以外でも継続して展開していればと考える意見もあると思われるが、韓国市場以外で展開し続けるような体力もなかったのだろう。
売上高の90%が韓国市場であり、韓国市場に大きく依存するPantechには痛すぎたのである。
2014年の1~2月は小幅ながらも黒字を出したとはいえ、営業停止処分が影響して結局は2014年第1四半期は小幅な赤字を記録している。
Pantechは営業停止処分の前に、未来創造科学部に営業停止処分を回避するように要請していた。
しかしながら、違法な補助金の支給には処分をしなければならないということで、未来創造科学部は移動体通信事業者3社に営業停止を命じた。
営業停止前の2014年2月は出荷台数が19万3200台であったが、営業停止真っ只中の2014年4月は7万3100台と、営業停止前の40%未満まで出荷台数が減少し、営業停止処分の影響が大きすぎたことは明白である。
これに対して、韓国では営業停止処分ではなく、課徴金で済ますべきだったのではとの意見もある。
Pantechは月間15~20万台を出荷していれば生き残れると計算しており、営業停止処分直前にはその目標を満たしていたが、未来創造科学部が移動体通信事業者3社に営業停止処分を強行したため、崖っぷちの状況に追い込まれてしまった。
移動体通信事業者に対する営業停止処分は初めてではなく、移動体通信事業者に対して厳しい処分をすることで次回以降の抑制に繋がるという考え方も十分に理解できる。
しかし、Pantechの現状を見ると、未来創造科学部はもう少し他のやり方を選択することはできなかったのかと感じるところである。
Pantechの運命は移動体通信事業者3社の判断に委ねられている。
「最後のチャンスを与えてほしい」と懇願するPantechに、最後のチャンスを与えてあげてほしいところであるが…
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