BlackBerryがパキスタンにおける事業を継続すると発表
- 2016年01月04日
- 海外携帯電話
カナダのBlackBerryはパキスタンにおける事業を継続することを正式に発表した。
これまでの流れを改めて説明すると、パキスタンの行政機関で電気通信事業などを管轄するPakistan Telecommunications Authority (PTA)はBlackBerryに対して同社が提供する企業向けサービスをPakistan Telecommunications Authorityが監視できるよう要求したが、セキュリティ性の高さを武器とするBlackBerryはPakistan Telecommunications Authorityの要求を拒否していた。
これを受けてPakistan Telecommunications Authorityはパキスタンの各移動体通信事業者に対して2015年12月30日よりBlackBerry Enterprise Serverへのアクセスを遮断するよう指示したため、BlackBerryは同社のサービスをパキスタン国内で提供することが困難となり、2015年12月30日をもってパキスタンから撤退することを明らかにした。
しかし、一部のパキスタンメディアはBlackBerryがPakistan Telecommunications Authorityの規約に同意したため、BlackBerry Enterprise Serverへのアクセスは遮断せず、BlackBerryはパキスタンから撤退しないと伝えていた。
BlackBerryはPakistan Telecommunications Authorityと協議したことを明らかにしており、Pakistan Telecommunications Authorityは引き続きBlackBerry Enterprise Serverへのアクセスを認めることになり、BlackBerryはパキスタンにおける事業を継続することを正式に発表した。
具体的な協議内容などは明らかにされていないが、テロ対策の内容が含まれているため、公示しないものと思われる。
なお、Pakistan Telecommunications Authorityが監視を強化する理由は、携帯電話を用いたテロを未然に防ぐ狙いがあり、特にBlackBerryのようにセキュリティ性の高い携帯電話をテロ活動に活用することを恐れている。
世界有数のテロ多発国家であるパキスタンでは過去に携帯電話を通信手段として活用したテロも多く報告されており、対策としてこれまでにSIMカードの登録を義務化、多くのテロリストを輩出した国のSIMカードはパキスタン国内で国際ローミングの利用を不可、宗派間の対立が深まりテロが発生する確率が高めると懸念される期間は一時的に携帯電話サービスを停止するなど、携帯電話関連の規制を強めている。
BlackBerryはパキスタン政府のテロ対策に関する方針に従う可能性が高い。
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