コソボ政府がセルビアのmtsに携帯電話向け周波数の利用ライセンスを交付
- 2016年12月28日
- 海外携帯電話
コソボの政府機関で電気通信分野などを管轄するAutoriteti Rregullativ i Komunikimeve Elektronike dhe Postare (以下、ARKEP)はセルビアのTelekom Srbijaの全額出資子会社であるmtsに移動体通信向け周波数の利用ライセンスを交付した。
周波数は900MHz帯の3.2MHz幅*2、1.8GHz帯の15MHz幅*2または5MHz幅*2、2.1GHz帯の10MHz幅*2または5MHz幅*2となる。
mtsは周波数および電話番号の使用料として157,084.94ユーロ(約1,925万7,000円)、周波数の年間利用ライセンスとして26,235.70ユーロ(約321万6,000円)、技術使用料として22,000ユーロ(約269万7,000円)、税として75ユーロ(約9,200円)を2016年12月23日から30日以内にARKEPに支払う必要がある。
コソボとTelekom Srbijaが本社を置くセルビアには複雑な関係があり、セルビア政府はコソボをセルビアの一部と主張しているため、コソボの独立は認めていない。
Telekom Srbijaはセルビアでブランド名をmtsとして移動体通信事業を手掛けるが、コソボのセルビア人が多い地区を中心にコソボまでエリアを拡大しており、実態としてはコソボ政府の認可なしでコソボ国内で移動体通信事業を展開していた。
コソボ政府はTelekom Srbijaの移動体通信事業を不法と認識し、不法行為であると主張していたが、Telekom Srbijaは筆頭株主がセルビア政府であり、コソボ政府に従うことはセルビア政府の主張とは相反するものであった。
ただ、欧州連合(EU)への加盟を目指すセルビアは加盟条件としてコソボ問題の解決を提示されており、欧州連合の仲介もありコソボ政府とセルビア政府は交渉を重ねていた。
交渉の結果、コソボの電話番号を管理するセルビア政府がコソボで専用の国際電話番号を運用することを認め、一方でコソボ政府はTelekom Srbijaまたはその子会社に正式なライセンスを発給することで合意した。
コソボ政府とセルビア政府の合意に基づいてmtsに移動体通信向け周波数の利用ライセンスを交付したが、ライセンスは限定的としている。
実質的にmtsがすでに開局済み基地局の運用を認める措置となり、30局のうち900MHz帯が30局、1.8GHz帯の15MHz幅*2が17局、5MHz幅*2が8局、2.1GHz帯の10MHz幅*2が17局、5MHz幅*2が8局となっている。
セルビア政府が経営権を握る企業がコソボ国内の事業でコソボ政府に各種費用を支払い、コソボの法律に基づいて事業運営することになれば歴史的な出来事となる。
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