インドの携帯電話事業者Reliance JioがReliance Comを買収、兄弟の競争は終結へ
- 2018年01月03日
- 海外携帯電話
インドのReliance Industries傘下で同国の移動体通信事業者(MNO)であるReliance Jio Infocomm (Jio)はインドのReliance ADA Group傘下で同国の移動体通信事業者であるReliance Communications (RCOM)の移動体通信事業に関する資産を買収することで最終合意に達したと発表した。
合意に基づいてReliance Jio Infocommは移動体通信事業に関する通信設備や周波数などの資産をReliance Communicationsより買収する予定である。
取引の完了には関連当局やReliance Communicationsの債権者などから承認を取得することが条件となる。
資産の買収に対して支払われる対価は取引完了時に支払われる予定で、金額は開示していない。
Reliance Jio InfocommおよびReliance Communicationsは機密保持義務に拘束されるため、合意の発表時点で開示可能な情報に制限があるが、適切な時期にさらなる情報の開示を行うと案内している。
Reliance Industriesの所有者であるムケシュ・アンバニ氏とReliance ADA Groupを所有するアニル・アンバニ氏は実の兄弟である。
Reliance Industriesを設立したディルバイ・アンバニ氏が亡くなってから、長男のムケシュ・アンバニ氏と次男のアニル・アンバニ氏は経営権の継承で対立し、Reliance Industriesの事業を分割することになった。
ムケシュ・アンバニ氏がReliance Industriesを継承、次男のアニル・アンバニ氏が分割した事業を新設のReliance ADA Groupに移管し、通信事業はReliance ADA Groupが引き継いだ。
双方の事業は競合しない協定を締結していたが、協定を解消してReliance IndustriesがReliance Jio Infocommを通じて通信事業に参入すると、Reliance Jio Infocommは期間限定の無料サービスなどで加入者を大幅に伸ばした。
無料サービスの影響で価格競争が激化し、Reliance Communicationsを含めたインドの移動体通信事業者の経営状況を圧迫した。
複数の移動体通信事業者が無料サービスに異議を唱えたが、結果的に撤退や統合などの業界再編が進んだ。
なお、Reliance Jio Infocommは2016年9月に商用化したが、2017年1月には加入件数でReliance Communicationsを抜いていた。
取引の承認を前提として、インドの通信業界における兄弟の競争はわずか1年半弱、兄の勝利で終結することになる見込み。
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