鴻海、工場の再開を延期へ

Tweet

Foxconn (富士康)の通称で知られる台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)は傘下企業を通じて中国各地で運営する工場の再開を延期することが分かった。

2020年2月4日時点では2020年2月10日に再開する目標は変わらないと声明を発出していたが、2020年2月8日に発出した新たな声明では再開のスケジュールは地方政府の規制に従って決める方針を示している。

また、地方政府の指導のもとで安全に再開するための準備を実施しており、単一の工場、顧客、製品に関連する詳細の公表は行わず、顧客から早期再開の要求もないと説明した。

新たな声明では再開の日時を定めず地方政府に従う方針を示し、当初に設定した2020年2月10日の全面的な再開は困難な状況で、事実上の再開の延期と解釈できる。

中国では当初は2020年1月24日から2020年1月30日までが春節連休と規定されていたが、中国人民政府は状況を考慮して春節連休を2020年2月2日まで延長し、さらに企業活動の再開を遅らせるよう要請している。

湖北省を除いた多くの地域では企業活動の再開は2020年2月10日以降との要請が発出されたことから、Hon Hai Precision Industryも2020年2月10日を再開の目標に設定していたが、企業活動の再開には条件が設けられており、地方政府の承認を取得する必要があるため、企業の判断のみで再開することは難しい状況となっている。

Hon Hai Precision Industryは中国各地の工場でFUJITSU CONNECTED TECHNOLOGIES (富士通コネクテッドテクノロジーズ：FCNT)、SHARP、米国のApple、中国のHuawei Technologies (華為技術)、中国のXiaomi Communications (小米通訊技術)など様々な企業のスマートフォンなど携帯端末をはじめとする電子機器の製造を受託しており、再開の延期が長期化すれば供給の遅延など影響が生じる可能性がある。

Foxconn