シリアの携帯電話最大手Syriatel会長の弟が副会長を辞任、一族内でも分裂
- 2020年05月22日
- 海外携帯電話
シリアの移動体通信事業者(MNO)であるSyriatel Mobile Telecomで会長を務めるラーミー・マフルーフの弟であるイハブ・マフルーフはSyriatel Mobile Telecomの副会長を辞任したことが分かった。
イハブ・マフルーフはFacebookを通じてSyriatel Mobile Telecomの問題に関してラーミー・マフルーフとの意見の相違からSyriatel Mobile Telecomの副会長を辞任したことを明らかにした。
また、Syriatel Mobile Telecomの問題に関してラーミー・マフルーフの対応を非難した。
Syriatel Mobile Telecomはシリア政府と問題を抱えており、シリアの政府機関で電気通信分野の規制を司る通信技術省(Ministry of Communications and Technology:MOCT)およびシリア電気通信郵便規制局(Syrian Telecommunications & Post Regulatory Authority:SY-TPRA)はSyriatel Mobile Telecomに対して国家のための支払いを要求したほか、経営陣の退陣も要求した模様であるが、ラーミー・マフルーフは要求を不当として受け入れていない。
マフルーフ兄弟はシリアの大統領であるバッシャール・アル=アサドの従兄弟で、ラーミー・マフルーフは大統領と近い立場を利用してシリアの経済界を支配し、長らく経済面で体制を支えてきたが、Syriatel Mobile Telecomの問題が表面化して対立が鮮明となった。
イハブ・マフルーフはSyriatel Mobile Telecomの副会長を辞任して兄を非難したことから、一族内でも分裂していることになる。
シリア政府はすでに財務省(Ministry of Finance)の名義でラーミー・マフルーフとその妻子の資産差し押さえを命じたが、通信技術省やシリア電気通信郵便規制局の要求を受け入れない場合はSyriatel Mobile Telecomの接収なども示唆している。
なお、シリアではSyriatel Mobile Telecomが最大手の移動体通信事業者で、南アフリカのMTN Groupの子会社であるMTN Syriaも移動体通信事業を展開する。
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