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米国の携帯電話大手3社が3.7GHz帯の5Gに関して声明、2021年より順次導入



米国の移動体通信事業者(MNO)でVerizon Wirelessとして事業を行うCellco Partnership、T-Mobile USA、AT&T Mobilityは第5世代移動通信システム(5G)向け周波数の取得に関して声明を発表した。

Cellco Partnership、T-Mobile USA、AT&T Mobilityは米国で加入件数を基準に大手3社の移動体通信事業者で、いずれも5G向け周波数として3.7GHz帯を取得しており、それぞれ声明を通じて整備の方針などを案内している。

最も多くのライセンス数を取得したCellco Partnershipは全米で平均して161MHz幅の3.7GHz帯を取得しており、ミッドバンドの保有を従来の2倍以上、サブ1GHz帯の周波数も含めたサブ6GHz帯の周波数としては従来比で120%増に拡大し、周波数の保有状況は業界最高になるという。

406のすべての区域で少なくとも140MHz幅以上、特に農村部の4,000万人をカバーする158の区域では最大で200MHz幅を確保し、農村部の通信環境の改善に貢献するほか、携帯通信用途に加えて固定通信用途でも活用する方針である。

2021年3月10日から12ヶ月以内に46の区域で約1億人、2022年から2023年にかけて1億7,500万人以上、2024年以降には2億5,000万人以上をカバーできるよう整備する計画を示している。

さらに3.7GHz帯は他国でも5Gで使用する周波数で、多くの端末が対応しているため、国際ローミングの受け入れにも効果的と説明した。

米国のAppleが開発したiPhone 12シリーズや韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)が開発したSamsung Galaxy S21シリーズをはじめとして、すでにVerizon Wirelessのラインナップで発売した多くのスマートフォンが3.7GHz帯の5Gに対応しており、顧客が所有する5Gに対応したスマートフォンのうち約70%が3.7GHz帯の5Gに対応する状況という。

2021年12月末までに新たに20機種の3.7GHz帯の5Gに対応した端末を発売する計画である。

これまで、Verizon Wirelessの携帯通信サービスではミリ波(mmWave)の周波数で5G Ultra Wideband、第4世代移動通信システム(4G)で使用するサブ6GHz帯の周波数で5G Nationwideとして5Gを展開している。

5G Ultra Widebandでは最大で800MHz幅の広い帯域幅を使用して超高速通信を実現するが、カバレッジは限定的となる。

一方、5G Nationwideでは広いカバレッジを実現するが、通信速度は4Gと同等にとどまる。

3.7GHz帯では全米で一定のカバレッジを確保したうえで、5G Ultra Widebandと同様のパフォーマンスを提供すると案内しており、高速通信を実現できることを強調した。

T-Mobile USAは約2億2,500万人をカバーできる区域で平均して40MHz幅の3.7GHz帯を取得し、既存の2.5GHz帯を補完する役割で活用するという。

3.7GHz帯の電波の到達距離は2.5GHz帯の65%にとどまり、2.5GHz帯と同等のカバレッジを実現するためには1.5倍の基地局が必要になると説明している。

既存のミッドバンドである2.5GHz帯とは同様に伝播しないため、都市部の整備に適すると説明しており、引き続き2.5GHz帯が中心かつ2.5GHz帯の方が優位との見解である。

また、T-Mobile USAより取得したライセンス数が多いCellco PartnershipおよびAT&T Mobilityに関して、両社は信じられないほどの金額を費やしたが、彼らはそうする必要があったと言及した。

すでにミッドバンドを保有するT-Mobile USAはそうする必要がなかったことを示唆するとともに、結果には満足と付け加えた。

AT&T Mobilityは80MHz幅を取得しており、まずは40MHz幅を使用して2021年末までに3.7GHz帯の5Gの展開を開始するという。

そのため、AT&T Mobilityは2021年中に3.7GHz帯の5Gの提供を開始することになる。

これまで、ミリ波とサブ1GHz帯の周波数で5Gを展開しているが、ミリ波はカバレッジが主要都市の中心部の一部など限定的であるため、4Gと同等の通信速度にとどまるサブ1GHz帯が中心となっていた。

ただ、新たに3.7GHz帯を取得したことで、全米で高速通信を提供できると説明した。

いずれの移動体通信事業者も5Gの無線方式はNR方式を採用し、3.7GHz帯のNR BandはFR1のn77となる見込みである。

すでに米国の政府機関で電気通信分野などの規制を司る連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)はn77に対応した端末および基地局の認証も開始している。

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