サウジアラビアのNTN向け2.1GHz帯はstcに割当、AST SpaceMobileなどは取得できず
- 2022年12月10日
- 海外携帯電話
サウジアラビアの政府機関で電気通信分野などの規制を司る通信宇宙技術委員会(Communications, Space & Technology Commission:CST)はNon-Terrestrial Network (NTN)向け周波数として用意した2.1GHz帯の割当に係る結果を発表した。
通信宇宙技術委員会はサウジアラビアの移動体通信事業者(MNO)でstcとして携帯通信事業を行うSaudi Telecom Companyに対してNTN向けの2.1GHz帯を割当したという。
対象の周波数範囲は2170~2200MHzおよび1980~2010MHzのFDDで30MHz幅*2である。
有効期間は15年間となっている。
NTN向けの2.1GHz帯は周波数オークションを実施して割当した。
Saudi Telecom Company、米国(アメリカ)のEchoStar Corporation、米国のOmnispace、Salamの4者が適格な申請者として参加したが、最終的にはSaudi Telecom Company以外の申請者は取得できなかった。
なお、Salamは米国のAST SpaceMobile、米国のIridium Communications、フランスのAirbusが構成したコンソーシアムである。
AST SpaceMobileにはRakuten Group (楽天グループ)や英国(イギリス)のVodafone Groupも出資している。
NTNは日本語では非地上系ネットワークや非陸上ネットワークなどと呼称しており、低軌道衛星から構築するNTNの第5世代移動通信システム(5G)は5G NTNと呼称する。
サウジアラビアではNTN向け2.1GHz帯の用途を限定しておらず、5Gの無線方式であるNR方式も導入できる。
標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)ではNTN向け2.1GHz帯でNR方式を導入できるようNR Bandを定義しており、NR方式を導入する場合はFR1のn256として運用することになる。
なお、通信宇宙技術委員会は旧名称が通信情報技術委員会(Communications and Information Techonology Commission:CITC)である。
2022年11月1日付けで機関名称を通信情報技術委員会から通信宇宙技術委員会に変更した。
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