楽天グループ提携の米AST SpaceMobile、ブラジルで試験実施へ
- 2023年02月15日
- 海外携帯電話
米国(アメリカ)のAST SpaceMobileはブラジルの移動体通信事業者(MNO)であるTIMと協力すると発表した。
ブラジルで宇宙ベースの携帯通信網を構築して携帯通信網のカバレッジを拡大することを目的としてAST SpaceMobileおよびTIMは拘束力を持たない覚書に署名したと案内している。
詳細な計画も案内しており、宇宙ベースの携帯通信網として第4世代移動通信システム(4G)を整備してデータ通信および音声通話を提供するために協力する計画である。
4Gの無線方式はLTE方式の採用が確実で、音声通話はVoLTE (Voice over LTE)となる。
最初の技術試験と初期評価はブラジルの規制当局による承認の取得などを条件として2023年前半にブラジルの北部地域および北東部地域で実施するという。
世界の国で5番目と広大な面積のブラジルでは国土の約60%が森林で、森林を中心に携帯通信網の整備が不十分なエリアは少なくない。
基地局の建設や管理など作業が困難な森林で携帯通信網を整備するための手段として宇宙ベースの携帯通信網の構築が期待されている。
ブラジルの森林としては世界最大の熱帯雨林であるアマゾン熱帯雨林が代表的である。
アマゾン熱帯雨林は南米(南アメリカ)の9の国および地域に及ぶが、約60%はブラジルの領土となっている。
AST SpaceMobileおよびTIMが最初の技術試験と初期評価を行う北部地域の一部と北東部地域の大部分がアマゾン熱帯雨林であるため、最初の技術試験と初期評価はアマゾン熱帯雨林で実施すると思われる。
TIMはイタリアの移動体通信事業者であるTelecom Italiaの子会社である。
ブラジルで最大のカバレッジを確保しており、ブラジルの全部の自治体で携帯通信網を整備した唯一の移動体通信事業者となっている。
AST SpaceMobileはRakuten Group (楽天グループ)などと提携しており、Rakuten Groupや英国(イギリス)のVodafone Groupなどから出資を受けている。
低軌道衛星から宇宙ベースの携帯通信網を構築するために準備を進めている。
日本の移動体通信事業者としてはRakuten Groupの完全子会社であるRakuten Mobile (楽天モバイル)と協力している。
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