楽天グループ提携の米AST SpaceMobile、サウジアラビアのZain KSAと協力

米国(アメリカ)のAST SpaceMobileはサウジアラビア(KSA)の移動体通信事業者(MNO)でZain KSAとして携帯通信事業を行うMobile Telecommunication Company Saudi Arabiaと協力すると発表した。

AST SpaceMobileおよびMobile Telecommunication Company Saudi Arabiaはサウジアラビアの首都・リヤド市で拘束力を持たない覚書に署名したという。

サウジアラビアの遠隔地、海上、上空などで携帯通信サービスの提供を実現するために新しい通信ソリューションおよび衛星に基づくデジタルサービスで協力する計画である。

Mobile Telecommunication Company Saudi Arabiaは特に遠隔地で宇宙ベースの携帯通信サービスの提供を実現するために有効な協力と表明しており、宇宙ベースの携帯通信網の構築に期待を示した。

広大な面積を誇るサウジアラビアであるが、国土の約3分の1は砂漠が占めており、砂漠地帯を中心に遠隔地で携帯通信網の整備が不十分な地域も少なくない。

遠隔地で携帯通信網の整備を拡充することはサウジアラビアの課題である。

実際に課題の解消を目的としてサウジアラビア政府が主導してサウジアラビアの3社の移動体通信事業者が相互に国内ローミングの受け入れを開始している。

Mobile Telecommunication Company Saudi ArabiaはAST SpaceMobileと協力して課題の解消に向けて取り組むことになる。

一方、AST SpaceMobileもサウジアラビアで事業の機会を模索していることが分かっている。

サウジアラビアではNon-Terrestrial Network (NTN)向け周波数として2.1GHz帯の割当を実施しており、AST SpaceMobileはSalamとしてコンソーシアムを構成して周波数の割当を申請していた。

最終的にSalamは周波数の割当を受けられなかったが、AST SpaceMobileはサウジアラビアに関心を示しており、Mobile Telecommunication Company Saudi Arabiaと協力することでサウジアラビアで事業の機会を模索すると思われる。

なお、Mobile Telecommunication Company Saudi Arabiaはクウェートの移動体通信事業者でZainとして携帯通信事業を行うMobile Telecommunications Companyの連結子会社である。

AST SpaceMobileはRakuten Group (楽天グループ)や英国(イギリス)のVodafone Groupなどと提携しており、低軌道衛星から宇宙ベースの携帯通信網を構築するために世界各地の移動体通信事業者と試験などを進めている。

日本の移動体通信事業者としてはRakuten Groupの完全子会社であるRakuten Mobile (楽天モバイル)と協力している。

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