キプロス第4の携帯電話事業者Cablenet、ポストペイド契約で3位に
- 2024年07月22日
- 海外携帯電話
キプロスの移動体通信事業者(MNO)であるCablenet Communication Systemsはポストペイドの携帯通信サービスの加入件数で初めて3位に上昇するとともに占有率で10%を超えたと発表した。
キプロスの政府機関で電気通信分野などの規制を司る電子通信郵便規制委員局(Office of the Commissioner of Electronic Communications and Postal Regulation:OCECPR)が発効した2023年後半の電子通信市場統計の結果をもとに案内している。
なお、キプロスの移動体通信事業者は準政府機関のキプロス電気通信局(Cyprus Telecommunications Authority:CYTA)、Epic、Primetel、Cablenet Communication Systemsの4社である。
電子通信郵便規制委員局は毎年前半と後半の電子通信市場統計を発行しており、2023年後半の電子通信市場統計は2023年12月時点の情報となる。
2023年後半の電子通信市場統計では携帯通信サービスの加入件数の占有率を契約種別ごとに開示している。
ポストペイドでは1位がキプロス電気通信局で51.8%、2位がEpicで29.3%、3位がCablenet Communication Systemsで10.1%、4位がPrimetelで8.8%を記録しており、Cablenet Communication Systemsは初めて3位に上昇するとともに10%以上を確保した。
プリペイドでは1位がキプロス電気通信局で44.5%、2位がEpicで29.9%、3位がPrimetelで15.0%、4位がCablenet Communication Systemsで9.3%となった。
合計では1位がキプロス電気通信局で49.6%、2位がEpicで29.9%、3位がPrimetelで10.7%、4位がCablenet Communication Systemsで9.9%を記録しており、早ければ2024年前半には合計でもCablenet Communication Systemsが3位に上昇するとともに10%以上を確保する見込みである。
Cablenet Communication Systemsは2021年5月にキプロスで第4の移動体通信事業者として新規参入しており、ポストペイドで加入者を集められた背景としては魅力的な料金プラン、既存の顧客基盤、カバレッジの確保、競合他社の不振が挙げられる。
手頃な料金で音声通話、SMS、データ通信を無制限に利用できるポストペイド向けプランを導入しており、ARPUが高く安定するポストペイドを重視して加入者の獲得を進めてきた。
移動体通信事業者として参入前は仮想移動体通信事業者(MVNO)で、キプロス電気通信局から卸提供を受けるフルMVNOとして携帯通信事業を展開してきた。
キプロス電気通信局とMVNO契約から無線アクセスネットワーク(RAN)共有契約に移行することで合意したため、円滑に移動体通信事業者として提供する携帯通信サービスに統合できたほか、キプロス電気通信局とRANを共有して迅速にカバレッジを確保できた。
2023年7月にはPrimetelが経営破綻しとえり、Primetelは携帯通信事業を継続しているが、2023年後半には加入者の流出が進み、Cablenet Communication Systemsは有力な移行先となった。
Cablenet Communication Systemsはチュニジア国営の移動体通信事業者でTunisie Telecomとして携帯通信事業を行うSociete Nationale des Telecommunicationsの子会社でマルタの移動体通信事業者であるGOの子会社である。
Societe Nationale des TelecommunicationsにとってCablenet Communication Systemsは関連会社となる。
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