Nexus 5XがNTTドコモやソフトバンクのAPT700 (Band 28)で使えない件について

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Googleが発表したLG Electronics製のスマートフォン「Google Nexus 5X」の発売が迫っているので、APT700と呼ばれるFDD-LTE方式のBand 28 (700MHz帯)についてメモ程度に書いておく。

日本の移動体通信事業者ではNTT docomoとSoftBankの2社が取り扱うことを発表しており、それに伴ってNTT docomoおよびSoftBankで利用可能な周波数も公開されている。

Googleが公開しているスペック表によると、国際版のGoogle Nexus 5X (LG-H791)はBand 28に対応する。

NTT docomoとSoftBankはBand 28を保有しているが、NTT docomoとSoftBankが公開したスペック表によるとGoogle Nexus 5Xは両社とも自社のBand 28には非対応としている。

そこで各社広報に問い合わせてみたところ、求めていた回答が得られた。

結論から言うと、各社が取り扱うGoogle Nexus 5Xは国際版と共通であるためBand 28には対応しているが、NTT docomoとSoftBankが利用する周波数範囲には対応していないとのことである。

また、NTT docomoによるとGoogle Nexus 5XはBand 28の下側のみに対応すると回答をいただいた。

Band 28はLower DuplexerとUpper Duplexerに分かれており、各社広報からの説明を基に総合的に判断するとGoogle Nexus 5XはLower Duplexerのみに対応し、Upper Duplexerに非対応であることが原因と考えられる。

Lower Duplexerは上りが703.0～733.0 MHz、下りが758.0～788.0 MHzとなり、Upper Duplexerは上りが718.0～748.0 MHz、下りが773.0～803.0 MHzとなっている。

ここで、日本の移動体通信事業者のBand 28を見てみると、KDDIは上りが718.0～728.0 MHz、下りが773.0～783.0 MHz、NTT docomoは上りが728.0～738.0 MHz、下りが783.0～793.0 MHz、SoftBankは上りが738.0～748.0 MHz、下りが793.0～803.0 MHzとなる。

Google Nexus 5Xが対応するLower DuplexerはNTT docomoの周波数範囲の一部を含んでおらず、SoftBankの周波数範囲はかすりもしない。

そのため、Google Nexus 5XではNTT docomoとSoftBankのBand 28は使えないことになる。

皮肉にも日本の移動体通信事業者では唯一Google Nexus 5Xを取り扱わないKDDIの周波数範囲のみ完全に含んでいる。

少なくとも、Google Nexus 5XではKDDIのBand 28は検出できるはずである。

余談ではあるが、Lower Duplexerのみに対応している端末はGoogle Nexus 5Xだけではない。

台湾で購入したとある端末の化粧箱にはBand 28でも対応する周波数範囲は上りが703.0～733.0 MHz、下りが758.0～788.0 MHzと明記されており、すなわちLower Duplexerのみに対応することが分かる。(画像参照)

Lower DuplexerはBand 28A、Upper DuplexerはBand 28Bと区別されることもあり、化粧箱にはBand 28Aとも記載されていた。

当然ながらUpper Duplexerの周波数範囲は日本のみならず、海外でも使用している移動体通信事業者が存在する。

例えば台湾のTaiwan Mobile(台湾大哥大)が保有するBand 28もUpper Duplexerの周波数範囲であり、Lower Duplexerのみに対応する端末では利用できないことになる。

Band 28に対応した端末を購入する場合は、この点に気をつけた方が良いだろう。

個人的にはBand 28AやBand 28Bのように区別して書くようにして欲しいと心の底から願っている。