韓国でGalaxy S8を約1.8万円で販売したことが騒動に、違法な支援金を支給

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韓国においてSamsung Electronics製のスマートフォン「Samsung Galaxy S8」および「Samsung Galaxy S8+」が安売りされたことが騒動となっている。

違法な支援金の支給が確実であり、「Galaxy S8 大乱」として韓国の主要な新聞社も報道している。

韓国では端末の販売に移動体通信事業者との契約を伴う場合が一般的であり、出庫価格から公示支援金および追加支援金を差し引いた金額が割賦元金となる。

出庫価格はすべての移動体通信事業者および料金プランで共通となり、Samsung Galaxy S8が935,000韓国ウォン(約93,000円)、Samsung Galaxy S8+の内蔵ストレージの容量が64GBのモデルが990,000韓国ウォン(約98,000円)、128GBのモデルが1,155,000韓国ウォン(約115,000円)に設定されている。

ところが、2017年5月3日前後に番号移動および月額60,000韓国ウォン(約6,000円)以上の料金プランへの加入を条件として、Samsung Galaxy S8は割賦元金が200,000韓国ウォン(約20,000円)前後、さらに品薄状態とされるSamsung Galaxy S8+の128GBのモデルは割賦元金が300,000韓国ウォン(約30,000円)前後で販売されたという。

韓国全土の代理店や販売店が相次いで安売りを実施した模様で、Samsung Galaxy S8の最安価格は180,000韓国ウォン(約18,000円)と異常な安さで売られたと伝えられている。

公示支援金は韓国の政府機関である放送通信委員会(Korea Communications Commission：KCC)が定め、小ロット法とも呼ばれる移動通信端末装置流通構造改善に関する法律(端末流通法)に基づいて運用される。

ここで、移動通信端末装置流通構造改善に関する法律で規定される公示支援金の規則について補足しておく。

公示支援金は放送通信委員会が上限額を設定し、2015年4月8日から2017年5月時点の上限額は330,000韓国ウォン(約33,000円)となっている。

発売から15ヶ月以内の機種を対象として、この上限額の範囲内で移動体通信事業者は機種や料金プランに応じて公示支援金を自由に設定できる。

さらに、代理店または販売店は移動体通信事業者が設定した公示支援金の100分の15までの範囲で支援金を追加で支給できると定めており、つまり公示支援金の15%まで追加支援金を支給できる。

なお、移動通信端末装置流通構造改善に関する法律における代理店は日本における一次代理店に相当し、販売店は日本における二次以下の代理店に相当する。

公示支援金の上限額は先述の通り330,000韓国ウォン、追加支援金は330,000韓国ウォンの15%で49,500韓国ウォン(約4,900円)となるため、支援金の合計は最大で379,500韓国ウォン(約38,000円)まで合法的に支給できる。

出庫価格が最安のSamsung Galaxy S8において仮に上限額の379,500韓国ウォンが支給されたとしても、割賦元金は610,500韓国ウォン(約61,000円)となるため、安売りには違法な支援金が支給されたことは火を見るよりも明らかである。

公示支援金は必ずしも全機種が上限額とは限らず、Samsung Galaxy S8シリーズの場合は最高でも300,000韓国ウォン(約30,000円)未満であるため、投入された追加支援金は500,000～600,000韓国ウォン(約50,000～60,000円)に達すると見込まれる。

放送通信委員会が支援金の支給に関する監督を務めるが、Samsung Galaxy S8シリーズの発売に伴う集中的な取り締まりが終了したことや、放送通信委員会のトップを務める委員長が政権交代期に伴う不在の状況などが重なり、監視体制が十分に機能しなかった可能性が指摘されている。

韓国では主要な新聞社も取り上げるほどの騒動となっているため、放送通信委員会の調査が入ることは確実であり、調査結果によっては移動体通信事業者などに課徴金や営業停止を命じる可能性もある。

聯合ニュース