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MTS-Turkmenistanの業務停止は利益配分でトルクメニスタン政府と交渉決裂か


mts

ロシアのMobile TeleSystems (以下、MTS)の子会社でトルクメニスタンの携帯電話事業者であるEconomy Society MTS-Turkmenistan (以下、MTS-TM)は2017年9月28日の0時(トルクメニスタン標準時)より業務を停止したことが分かっている。

MTSおよびMTS-TMは公式声明を通じて、トルクメニスタン政府が所有する国営企業のTurkmentelekomによって業務の停止に追い込まれたことを明らかにしている。

TurkmentelekomはMTS-TMの業務を強制的に停止させた理由を公表していないが、ロシアメディアによるとMTSはMTS-TMの利益配分に関してトルクメニスタン当局に同意しなかったためと報じている。

MTSは2012年7月25日にMTS-TMの運営に関する契約をTurkmentelekomと締結しており、契約内容にはMTS-TMの運営に起因する純利益の30%をTurkmentelekomに毎月支払う必要があると規定されている。

契約の有効期間は5年間で、特定の条件の履行を条件として5年間の延長が認められているが、MTSはTurkmentelekomが提示した利益配分の条件に同意せず、Turkmentelekomは5年間の延長を認めないとともに、強制的にMTS-TMの業務を停止させた可能性がある。

なお、MTS-TMのライセンスは2018年7月26日まで有効であるが、TurkmentelekomはMTS-TMの運営に関する契約が終了したとみなしたと思われる。

MTSおよびMTS-TMはTurkmentelekomと業務の再開に向けて交渉する方針を示している。

MTS-TMの業務停止の危機に関しては、2017年6月頃から噂されており、2017年9月下旬にはMTS-TMの本社から看板が取り外されたという。

2016年6月23日にはトルクメニスタン政府が新たな携帯電話事業者としてAy Nazarの設立を承認し、同時にMTS-TMは事業を閉鎖する可能性があると伝えられていた。

MTS-TMは事業閉鎖の噂を受けて、2017年6月28日に公式声明を通じて通常通り業務を継続すると発表していたが、噂が現実となりつつある。

新規参入する見込みのAy Nazarの詳細は不明であるが、国営企業のTelephone Network of Ashgabat (Aşgabat şäher telefon ulgamy)が運営するブランドのひとつとなることが有力視されている。

Telephone Network of Ashgabatはブランド名をACTN (AŞTU)として小規模に携帯電話事業を手掛けているが、Ay Nazarとして本格的に携帯電話事業に参入する模様である。

MTS-TMはAy Nazarの参入に先立ち、競争環境が厳しくなることを想定してTurkmentelekomに利益配分の見直しを要求した可能性がある。

一方、Telephone Network of Ashgabatの運営にはトルクメニスタンの大統領、グルバングル・ベルディムハメドフの親戚が参画しており、トルクメニスタン政府としてはMTS-TMをAy Nazarへ置き換える目的でMTS-TMを追放したとの見方や、MTS-TMの事実上の唯一の競合企業でTMCELLブランドを展開するAltyn AsyrはTurkmentelekomの全額出資子会社であり、Turkmentelekom、実質的にトルクメニスタン政府がAltyn AsyrとMTS-TMの完全な競合関係を望まず、Altyn Asyrの脅威になり得るMTS-TMを追放したとの見方もある。

いずれにせよ、トルクメニスタン政府が理由を公表しないことからも、トルクメニスタン政府にとって不都合な理由であると推測できる。

トルクメニスタンでMTSが経験した困難はこれが初めてではなく、2010年12月に最初の撤退に追い込まれた。

MTSは2005年にBarash Communications Technologies, Inc. (以下、BCTI)を買収してトルクメニスタンの携帯電話市場に参入し、加入件数ベースで占有率は80%前後に達するなど、当時の唯一の競合企業でもあるAltyn Asyrを凌駕していた。

参考までに、トルクメニスタンにおける携帯電話サービスの加入件数は2010年12月時点でBCITが約240万件、Altyn Asyrが約60万件、2017年6月時点でAltyn Asyrが約570万件、MTS-TMが約170万件とされている。

トルクメニスタンの政府機関で電気通信分野を管轄する通信省は2010年12月15日、BTCIのライセンスを2010年12月21日から1ヶ月間中断するとMTSに通告した。

MTSは2005年11月にトルクメニスタン国内における事業協力の契約を通信省と締結しており、契約を延長しない限り、2010年12月21日に満了すると定められていた。

ただ、MTSは通信省との契約終了はBCTIのライセンスを剥奪する根拠にはならず、法的措置を含めた利用可能なすべてのオプションを検討すると表明した。

結局、BCTIはライセンスの一時中断から業務を再開することなく事実上の撤退となり、MTSはトルクメニスタン通信省(Communications Ministry of Turkmenistan)、Turkmentelekom、Altyn Asyrを相手に国際仲裁裁判所へ提訴した。

公式な発表ではないが、BCITのライセンスを剥奪した背景として、トルクメニスタン政府がAltyn Asyrの劣勢な状況を不満としてBCTIを排除したとの見方が強い。

なお、MTSはトルクメニスタンの携帯電話市場への再参入を受けて、2012年7月25日に仲裁請求を取り下げた。

MTS-TMの事案とは関係なく、偶然にもロシアの大統領、ウラジーミル・プーチンがグルバングル・ベルディムハメドフの招待で2017年10月2日よりトルクメニスタンを公式訪問する予定で、政治、貿易、経済など多岐にわたる分野で会談し、いくつかの二国間文書に署名する見込みである。

MTSはロシアの外務省が公式ウェブサイトでトルクメニスタンに進出する主要な企業として紹介している企業なだけに、首脳会談ではMTS-TMに関して何らかの言及があることも予想できる。

もし、MTS-TMが業務再開に至らなければ、MTSにとって7年ぶり2度目のトルクメニスタン追放となる。

歴史は繰り返すものである。

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