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MTS-TMの業務停止によってトルクメニスタン農村部の人々が通信手段を失う



トルクメニスタンでは2017年9月29日にロシアのMobile TeleSystems (以下、MTS)の子会社でトルクメニスタンの携帯電話事業者であるEconomy Society MTS-Turkmenistan (以下、MTS-TM)が業務を停止したが、MTS-TMの業務停止を受けてトルクメニスタンの農村部では通信手段を失っていることが分かった。

MTS-TMが業務を停止したことで、トルクメニスタンでは同国政府が所有するTurkmentelekomの子会社でTMCELLを展開するAltyn Asyrがトルクメニスタンで唯一の全国的な携帯電話事業者となった。

しかし、Altyn Asyrは主要都市のみネットワークの整備を推進し、農村部ではネットワークを整備していない。

農村部では固定電話の整備も遅れており、固定電話を契約せずに携帯電話のみを使う人々も多く、実質的にMTS-TMが農村部で唯一の選択肢となっていた。

MTS-TMの業務停止を受けて、主要都市ではMTS-TMからAltyn Asyrへの移行が急増してAltyn Asyrの通信品質が悪化した模様であるが、農村部では移行先がなく通信手段を失ったという。

連絡手段を確保するために、Altyn Asyrの提供エリアまで数十~数百kmも移動した農村部の人々もいると報告されている。

MTS-TMは携帯電話サービスを再開する見込みがなく、当面は農村部の人々が不便を被ることになる。

また、Altyn Asyrの携帯電話サービスやTurkmentelekomの固定電話サービスが農村部をカバーしていないことは、トルクメニスタン政府が農村部のカバーを怠っていることを意味する。

MTSおよびMTS-TMはMTS-TMの業務継続を望んでいたが、トルクメニスタン政府およびTurkmentelekomの意向でMTS-TMの業務を強制的に停止したことが分かっている。

MTSはトルクメニスタン事業の収益や資産を失い、MTS-TMで働く従業員は路頭に迷い、MTS-TMの加入者はAltyn Asyrへの移行を強いられ、農村部の人々は通信手段を失い、Altyn Asyrの加入者は正常な通信を失い、MTS-TMの業務停止の影響は広範囲に生じている。

得したのは唯一の競合他社を消すことに成功したAltyn Asyr、それの所有者のトルクメニスタン政府くらいだろう。

トルクメニスタン政府の気分次第ですべてが動くトルクメニスタンらしい出来事ではあるが、あまりにも酷い話である。

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