サムスン電子、Exynosの供給でZTEと協議か
- 2018年05月17日
- 海外携帯電話
韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)はモバイル端末向けチップセットの供給で中国のZTE (中興通訊)などと協議していることが外国メディアの報道で分かった。
Samsung ElectronicsはSamsung Exynosシリーズのチップセットを開発および販売しており、ZTEとチップセットの供給で協議しているという。
ZTEおよび同社の完全子会社で中国のZTE Kangxun Telecommunications (深圳市中興康訊電子)は米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)よりDenied Persons List (DPL)に指定されたため、米国企業との取引や第三国の企業とも輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目の取引が禁止された。
そのため、ZTEは米国のQualcomm TechnologiesよりQualcomm Snapdragonシリーズのチップセットなどの調達が不可となった。
そもそも、ZTEの事業ではチップセット以外にも多くの米国企業が提供する様々な部品、ソフトウェア、技術を利用しており、ZTEはDenied Persons Listの指定を受けて主要な事業を停止する状態に追い込まれた。
米国のドナルド・トランプ大統領はZTEが事業を再開できるよう制裁措置の緩和を示唆しているが、ZTEとしては事業を再開できても米国企業への依存度を弱めることが急務となる。
一方、Samsung Electronicsのチップセットは自社以外の主要な端末メーカーでは中国のMeizu Technology (珠海市魅族科技)に供給する程度に留まる。
Meizu Technologyがチップセットの供給元を台湾のMediaTek (聯発科技)に一本化を検討した際は、Samsung ElectronicsからMeizu Technologyに従業員を派遣して技術提供や値下げ交渉などで引き止めており、Samsung Electronicsとしてもチップセットの供給先の拡大を狙っている。
ZTEとSamsung Electronicsの利害が一致し、Samsung Exynosシリーズのチップセットの供給先にZTEが加わる可能性がある。
Samsung ElectronicsはZTEとの契約は確実に成立するとは限らないとし、またすべての端末メーカーを平等に扱う方針を示したという。
なお、過去にZTEが一部のスマートフォンでSamsung Exynosシリーズのチップセットを採用した実績がある。
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