ZTE関係会社とラクオリア創薬の合弁設立を延期、ZTE事件が影響
- 2018年05月31日
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愛知県名古屋市のRaQualia Pharma (ラクオリア創薬)は中国のZTE Coming Biotech (中興康寧生物科技)との合弁会社の設立を延期すると発表した。
RaQualia PharmaとZTE Coming Biotechは2018年1月29日に中国で合弁会社を設立する契約を締結し、2018年5月に設立する方向で準備を進めてきた。
ZTE Coming Biotechは中国のZTE (中興通訊)の関係会社で、ZTEの支援を受けて設立された。
ただ、米国政府はZTEに対して制裁措置を発動し、ZTEは主要な経営活動を停止した。
具体的には、ZTEおよびZTEの完全子会社で中国のZTE Kangxun Telecommunications (深圳市中興康訊電子)は米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)よりDenied Persons Listの指定を受け、輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目が取引禁止となり、主要な事業の中断に追い込まれた。
制裁措置を受けてZTEのグループ内で体制の見直しを行うことになり、RaQualia PharmaはZTE Coming Biotechとの合弁会社の設立が遅延すると説明している。
合弁会社の設立申請について、RaQualia Pharmaの提出資料はZTE Coming Biotechに送付済みで、2018年6月上旬にZTE Coming Biotechから中国当局に合弁会社の設立申請を行い、2018年9月頃の設立認可を見込んでいる。
合弁会社は社名がZTE RaQualia (中興瑞科利)、登記上の本店所在地が江蘇省南通市、資本金が1,000万人民元(約1億6,960万円)、出資比率はZTE Coming Biotechが65%、RaQualia Pharmaが35%となる予定である。
なお、RaQualia Pharmaは合弁会社の設立延期に伴う2018年12月期の業績への影響はないと案内している。
ZTE Coming Biotechは健康分野を主要事業とし、ZTEが経営権を保有するZTEの連結子会社ではないが、資金面などでZTEより支援を受けており、ZTEへの制裁措置は電気通信分野以外の関係会社の事業にも影響が生じた。
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