iPhone XSとiPhone XS Maxで追加されたLTE周波数

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米国のAppleはスマートフォン「Apple iPhone XS」および「Apple iPhone XS Max」を公開した。

いずれも対応するLTE Bandは充実しているが、Apple iPhone Xと比べて新たに追加されたLTE Bandを整理したい。

Apple iPhone XSの型番はA1920、A2097、A2098、A2100、Apple iPhone XS Maxの型番はA1921、A2101、A2102、A2104が用意されている。

A1920とA1921、A2097とA2101、A2098とA2102、A2100とA2104はそれぞれLTE Bandが共通で、それぞれ順に北米版、国際版、日本版、中国版とする。

Apple iPhone Xの型番はA1865、A1901、A1902が用意されたが、A1865とA1901はLTE Bandが共通で様々な地域で販売されたため、A1865とA1901を北米や中国を内包した国際版と表記し、A1902を日本版とする。

Apple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxの北米版と中国版はApple iPhone Xの国際版から、FDD-LTE方式の1.5GHz帯(Band 32)、700MHz帯(Band 14)、600MHz帯(Band 71)、TD-LTE方式のU-NII(Band 46)が追加された。

Apple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxの国際版はApple iPhone Xの国際版から、Band 14、Band 32、Band 46が追加された。

Apple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxの日本版はApple iPhone Xの日本版からBand 14とBand 46が追加された。

なお、FDD-LTE方式の1.5GHz帯(Band 11およびBand 21)とTD-LTE方式の3.5GHz帯(Band 42)は依然として日本版のみが対応する。

Band 14とBand 46がすべてのモデルに共通して追加されたことが分かる。

追加されたBand 32、Band 14、Band 71、Band 46について簡単に紹介したい。

Band 32は欧州各地で採用が進んでいる。

英国の移動体通信事業者(MNO)であるHutchison 3G UKおよびVodafone、ドイツの移動体通信事業者であるTelekom DeutschlandおよびVodafone、イタリアの移動体通信事業者であるTIMおよびVodafone Italiaが導入しており、欧州の主要国で主要な移動体通信事業者が採用するため、新たに対応させたと思われる。

Band 14は米国でFirstNetとして利用されている。

FirstNetは米国のFirst Responder Network Authorityが提供するLTEベースの公共安全用通信である。

First Responder Network Authorityは米国の政府機関である商務省(Department of Commerce：DOC)傘下の電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration：NTIA)が電気通信情報局内の独立機関として設立しており、官民連携事業として米国の移動体通信事業者であるAT&T Mobilityがネットワークの構築を担当する。

米国の50州、首都・ワシントンD.C.、米自治領プエルトリコでFirstNetのネットワークの構築を進めており、米国における重要性が高いことから、新たに対応させたと思われる。

Band 71は米国の移動体通信事業者であるT-Mobile USが導入している。

T-Mobile USはカバレッジの確保に有利なBand 71を積極的に推進しており、Apple iPhone XがBand 71に非対応と判明した際はそれだけで話題となったが、Apple iPhone XSとApple iPhone XS MaxではようやくBand 71を利用できる。

米国の主要な移動体通信事業者が利用するため、新たに対応させたと思われる。

Band 46はLAA (Licensed Assisted Access)である。

LAAはアンライセンスバンド(非免許帯域)でLTE通信を利用する技術で、ライセンスバンド(免許帯域)におけるLTE通信の補助として、ライセンスバンドとアンライセンスバンドのアグリゲーションで利用する。

米国など複数の国と地域で主要な移動体通信事業者がLAAを導入しており、LAAの採用が世界各地で進んでいるため、新たに対応させたと思われる。