Qualcomm Snapdragon 855 Mobile Platformの詳細を公表
- 2018年12月06日
- その他モバイル端末
米国のQualcommの全額子会社で米国のQualcomm Technologiesは携帯端末向けチップセット「Qualcomm Snapdragon 855 Mobile Platform」の詳細を公表した。
プレミアムセグメントの携帯端末向けに開発された高性能なハイエンドのチップセットである。
プロセスルールは7nmプロセス技術を採用している。
Qualcomm Kryo 485 CPU、Qualcomm Adreno 640 GPU、Qualcomm Hexagon 690 Processor、Qualcomm Spectra 380 Image Signal Processor、Qualcomm Aqstic Audio、Qualcomm Secure Processing Unit (SPU)、Qualcomm 3D Sonic Sensorを搭載する。
CPUは64bit対応でオクタコアのQualcomm Kryo 485 CPUとなる。
1コアのメインコア、3コアのパフォーマンスコア、4コアのエフィシェンシーコアで構成される。
動作周波数はメインコアが最大2.84GHz、パフォーマンスコアが最大2.42GHz、エフィシェンシーコアが最大1.80GHzとなっている。
GPUはQualcomm Adreno 640 GPUで、グラフィックス性能は前世代と比べて最大で20%の向上を実現した。
DSPのQualcomm Hexagon 690 Processorは高速な人工知能(AI)の処理などを行い、前世代と比べて人工知能の処理性能は3倍の向上となった。
ディスプレイは高精細で高い表現力を実現する4K HDRに対応できる。
Qualcomm Spectra 380 Image Signal Processorにより高性能なカメラを実現しており、画素数は最大で約3200万画素のシングルカメラまたは約2000万画素のデュアルカメラとなる。
Qualcomm Secure Processing Unitによって生体認証の利用や個人データの保護など強力なセキュリティ性能を実現し、ディスプレイ一体型の超音波指紋認証ソリューションであるQualcomm 3D Sonic Sensorに対応している。
Bluetooth 5.0やWi-Fi IEEE 802.11 ad、IEEE 802.11 ay、IEEE 802.11 ax、IEEE 802.11 ac Wave 3、IEEE 802.11 a/b/g/nに対応し、2.4GHz帯、5GHz帯、60GHz帯の無線LANを使える。
位置測位はデュアルバンド全球測位衛星システムに対応しており、GPS、GLONASS、BeiDou (北斗)、Galileo、QZSS (準天頂衛星システム:みちびき)、SBASを利用できる。
急速充電のQualcomm Quick Charge 4+ technologyにも対応する。
通信モデムはQualcomm Snapdragon X24 LTE Modemが統合されている。
通信方式はFDD-LTE/TD-LTE/W-CDMA/TD-SCDMA/CDMA2000/GSM方式を利用可能で、LTE DL Category 20およびLTE UL Category 20に対応し、通信速度は下り最大2Gbps/上り最大316Mbpsとなる。
下りはキャリアアグリゲーション(CA)を高度化し、7波の20MHz幅の搬送波を束ねる7コンポーネント・キャリア・キャリアアグリゲーション(7CC CA)、すべての搬送波で256QAM、3波で4×4 MIMOを利用可能で、最大で20ストリームを使える。
上りはアップリンク・キャリアアグリゲーション(ULCA)を高度化し、3波の20MHz幅の搬送波を束ねる3コンポーネント・キャリア・キャリアアグリゲーション(3CC CA)および256QAMに対応する。
LTEネットワーク上で音声通話を実現するVoLTE (Voice over LTE)およびUltra HD Voiceとも呼ばれるより広い音声周波数帯域に対応する音声コーデックのEVS (Enhanced Voice Services)、デュアルSIMデュアルVoLTE (DSDV)を利用できる。
アンライセンスバンド(非免許帯域)でLTE通信を利用するLAA (Licensed Assisted Access)、CBRS (Citizens Broadband Radio Service)、LTE Broadcastへの対応も可能である。
また、Qualcomm Snapdragon X50 Modemと組み合わせることも可能で、Qualcomm Snapdragon X50 Modemを組み合わせて第5世代移動通信システム(5G)への対応を実現する。
5Gの通信方式は標準化団体である3GPP (3rd Generation Partnership Project)で5Gの要求条件を満たすために規定されたNR方式に対応している。
周波数はサブ6GHz帯とミリ波(mmWave)に対応し、サブ6GHz帯では1波あたり100MHz幅まで、2×2 MIMOを適用可能、ミリ波では1波あたり800MHz幅まで、4×4 MIMOを適用可能となる。
Qualcomm Snapdragon 855 Mobile Platformを搭載した商用の携帯端末は2018年上半期より出荷が開始される予定である。
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