シンガポールのStarHubはNokiaの5G基地局を採用、Nokiaは東南アジア初
- 2020年08月22日
- 海外携帯電話
シンガポールのStarHub (星和)の完全子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるStarHub Mobile (星和移動)は第5世代移動通信システム(5G)の基地局をフィンランドのNokiaより調達したことが分かった。
StarHub Mobileは2020年8月18日よりNR方式のノンスタンドアローン(NSA)構成に準拠した5Gサービスの提供を開始しており、Nokiaが報道発表資料を通じてStarHub Mobileに基地局を供給したことを明らかにした。
第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と連携して動作するNSA構成で運用するため、アンカーバンドとして機能するLTE方式への常時接続が必要となり、StarHub MobileはNokiaより調達した基地局を使用してLTE方式の高度化とNR方式の導入を実現した。
LTE方式の周波数は900MHz帯をアンカーバンドとして使用し、NR方式の周波数はLTE方式や第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式でも使用する2.1GHz帯を使用している。
LTE BandはBand 8で、NR BandはFR1のn1である。
StarHub Mobileは5G向け周波数を確保しており、シンガポールの政府機関で電気通信分野の規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)よりシンガポールの移動体通信事業者であるM1 (第一通)と共同で3.5GHz帯を取得した。
ただ、3.5GHz帯の免許は有効期間が2021年に開始し、NR方式のスタンドアローン(SA)構成の導入が義務付けられており、3.5GHz帯では5Gの早期導入が困難と判断して既存の周波数で先行してNSA構成を導入することになった。
StarHub MobileおよびM1は先に3.5GHz帯を使用したSA構成の基地局をNokiaより調達する計画を正式に発表していたが、StarHub MobileはNSA構成でもNokiaより基地局を調達する。
StarHub Mobileは5Gの試験段階からNokiaと協力しており、商用でもNokiaより5Gの基地局を調達することは容易に予想できていた。
これまでに、東南アジアではフィリピンのGlobe Telecomが2019年7月27日、タイのAdvanced Wireless Networkが2020年3月2日、タイのTrue Move H Universal Communicationが2020年3月17日、フィリピンのSmart Communicationsが2020年7月30日に5Gサービスの提供を開始しているが、5Gの基地局は予定も含めてGlobe Telecomが中国のHuawei Technologies (華為技術)、Advanced Wireless NetworkもHuawei Technologies、True Move H Universal CommunicationがスウェーデンのEricsson、Huawei Technologies、中国のZTE (中興通訊)、Smart CommunicationsがEricssonおよびHuawei Technologiesより調達しており、この中にNokiaから5Gの基地局を調達した移動体通信事業者はない。
そのため、StarHub Mobileの5Gサービスは東南アジアではNokiaが基地局を供給した最初の5Gサービスとなった。
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