ZTEがタイでSuperDSSのフィールドテストを実施、Trueで採用を想定か
- 2021年03月21日
- 海外携帯電話
中国のZTE (中興通訊)はタイでスーパーダイナミックスペクトラムシェアリング(SuperDSS)のフィールドテストの第一段階を無事に完了したと発表した。
フィールドテストの第一段階の完了に伴い、タイにおけるSuperDSSの大規模な商用展開の基礎を築いたと説明している。
従来のダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)ソリューションでは第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と第5世代移動通信システム(5G)のNR方式の2方式で動的に周波数を共有できる。
ZTEが開発したSuperDSSソリューションではLTE方式とNR方式に加えて第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式または第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式のいずれかを追加した3方式で動的に周波数を共有することが可能となる。
周波数によって対応する通信方式の組み合わせが異なり、LTE方式およびNR方式を運用することは前提として、1.8GHz帯ではGSM方式に対応、2.1GHz帯ではW-CDMA方式に対応する。
タイでは2.1GHz帯の15MHz幅*2でW-CDMA方式、LTE方式、NR方式の3方式で動的に周波数を共有する需要に応えるために、SuperDSSのフィールドテストを実施したという。
タイの移動体通信事業者(MNO)としてはAdvanced Wireless Network (AWN)、True Move H Universal Communication (TUC)、dtac TriNet (DTN)、National Telecom (NT)のすべてが2.1GHz帯の15MHz幅*2を保有している。
このうち、National Telecomを除いた3社が2.1GHz帯でW-CDMA方式およびLTE方式を運用しており、National Telecomが2.1GHz帯でW-CDMA方式を運用している。
特にNR方式の通信設備をZTEから調達することが決定したTrue Move H Universal Communicationが採用することを想定してフィールドテストを実施したと思われる。
ZTEが開発したSuperDSSソリューションはすでに商用環境で導入の実績があり、中国の移動体通信事業者であるChina United Network Communications (中国聯合網絡通信)が2.1GHz帯の20MHz幅*2で導入した。
従来のDSSソリューションであればW-CDMA方式を運用できないため、China United Network Communicationsのように20MHz幅*2を保有する場合は5MHz幅*2をW-CDMA方式に残し、残りの15MHz幅*2でDSSを実装することになる。
SuperDSSソリューションを導入すると3方式を20MHz幅*2で運用できるため、LTE方式の通信速度はDSSソリューションを導入して15MHz幅*2を使用した場合と比べて35%の高速化を確認できたという。
ZTEは将来を見据えてSuperDSSソリューションを継続的に最適化する計画である。
また、大規模に商用展開することでネットワークの運用効率の向上に貢献すると表明している。
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