マレーシアのDigital Nasionalが12月に5G開始、クアラルンプールやプトラジャヤなどで
- 2021年10月17日
- 海外携帯電話
マレーシアのDigital Nasionalは2021年12月に第5世代移動通信システム(5G)の提供を開始する計画を公表した。
マレーシアではDigital Nasionalが5Gを整備する唯一の移動体通信事業者(MNO)となることが決定しており、2021年12月に一部の地域から5Gの提供を開始する計画という。
まずはマレーシアの首都・クアラルンプールの一部、行政都市のプトラジャヤ、セランゴール州のサイバージャヤで2021年12月に5Gの提供を開始する。
2022年12月末までには主要な都市で5Gを整備して人口カバー率を40%に拡大し、さらに2024年12月末までには農村部や工業団地でも5Gを整備して人口カバー率を80%に拡大することを目標として定めている。
Digital Nasionalはマレーシアの政府機関である財務省(Ministry of Finance)が設立した国有の特別目的事業体で、財務大臣が完全所有することとなっている。
1998年通信マルチメディア法に基づき5Gを整備するための免許を取得しており、マレーシア全土で卸売専業の移動体通信事業者として5Gの単一卸売網を構築する。
基地局を構成する通信設備はスウェーデンのEricssonから調達することが決定している。
Digital NasionalはEricssonと10年間の契約を締結しており、10年間はEricssonから通信設備を調達する計画である。
マレーシアには既存の移動体通信事業者としてCelcom Axiata、Maxis Broadband、Digi Telecommunications、U Mobile、webe digital、YTL Communicationsの6社が存在するが、いずれも5G向けの周波数は割当を受けていない。
また、既存の周波数で5Gの無線方式であるNR方式を導入することも認められていないため、既存の移動体通信事業者は5Gを整備できない。
そのため、既存の移動体通信事業者は原則としてDigital Nasionalから卸提供を受けて各社の加入者に対して5Gを提供することになる。
Digital Nasionalが5Gの提供を開始するまでは既存の移動体通信事業者は5Gを提供することができず、Digital Nasionalが5Gの提供を開始後に既存の移動体通信事業者は5Gの提供を順次開始する予定である。
世界的には一部の国において単一卸売網を構築しているが、商用の5Gで単一卸売網を構築する事例はマレーシアが世界で初めてとなる見通し。
マレーシアで5Gを商用化する詳細な日程は決定次第案内すると思われる。
スポンサーリンク