レバノン国有の携帯電話事業者Alfaとtouch、従業員がストライキを開始
- 2021年12月15日
- 海外携帯電話
レバノンの移動体通信事業者(MNO)でAlfaとして携帯通信事業を展開するMobile Interim Company 1 (以下、MIC1)およびレバノンの移動体通信事業者でtouchとして携帯通信事業を展開するMobile interim company no.2 (以下、MIC2)の従業員はストライキを開始したことが分かった。
MIC1およびMIC2いずれの従業員も2021年12月13日から開始しており、期限は設定していないという。
健康保険を含めた労働契約で規定された権利を確保する目的とされている。
事前に従業員の代表と経営陣が協議を実施したが、協議では合意に至らず、最終的に無期限でストライキを実行することになった。
MIC1およびMIC2はいずれもレバノン政府が完全所有する国有の移動体通信事業者である。
レバノンの移動体通信事業者はMIC1およびMIC2の2社であるため、レバノンの移動体通信事業者はすべて国有となる。
過去にはレバノンの政府機関で電気通信分野の規制を司る電気通信省(Ministry of Telecommunications:MoT)が管理契約を締結したレバノン法人に管理を委託し、国有の状態で経営を外部に任せていたが、2020年9月7日にはMIC1、2020年10月30日にはMIC2の管理権を電気通信省が引き継ぎ、MIC1およびMIC2いずれも電気通信省が経営している状況となっている。
ただ、レバノンでは経済状況の悪化が深刻化しており、2020年3月7日には初の債務不履行を宣言したほか、2019年半ばから2021年半ばまでの約2年間でレバノンの法定通貨であるレバノンポンド(LBP)の価値が最低で15分の1未満に急落するなど、レバノン政府の財政は疲弊している。
レバノン政府の財政難は移動体通信事業者の経営にも影響しており、最終的に従業員との対立を招くことになった。
これまでに、レバノンの経済状況は深刻な電力不足も招き、レバノンの移動体通信事業者は一部の地域で通信設備の稼働を維持できず、停波を余儀なくされる事態も発生した。
レバノンの移動体通信事業者は当面、多方面で厳しい状況が続くと思われる。
なお、2020年6月30日時点で加入件数を基準とした占有率はMIC1が46%、MIC2が54%となっている。
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