インド当局、空港周辺でCバンド5Gを制限
- 2022年12月10日
- 海外携帯電話
インドの政府機関である通信省(Ministry of Communications)の傘下機関である電気通信局(Department of Telecommunications)は同国の移動体通信事業者(MNO)に対して空港周辺でCバンドの周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)の運用を制限したことが分かった。
インドでは同国の移動体通信事業者であるReliance Jio Infocomm、Bharti Airtel、Vodafone Ideaの3社が5G向け周波数としてCバンドの3.5GHz帯を取得しており、3.5GHz帯などを使用して5Gの整備をインド各地で進めている。
3.5GHz帯はカバレッジと高速通信を両立できる主力の周波数として期待されているが、航空機の電波高度計と干渉の懸念があるため、すべてのインド国内の空港の滑走路から2.1km以内に所在する基地局では3.5GHz帯で5Gの運用を行わないよう通達したという。
3.5GHz帯では5Gの無線方式としてNR方式を順次導入しており、NR BandはFR1のn78である。
インドの行政区画は8の連邦直轄領と28の州で構成するが、インドでは行政区画と異なる22のテレコムサークルを単位として携帯通信向け周波数の免許を付与しており、テレコムサークルによって3.5GHz帯の割当状況が異なる。
Reliance Jio Infocommは3500~3600MHzを全部のテレコムサークルで保有するほか、3470~3500MHzをヒマーチャル・プラデーシュ、ジャンムー・カシミール、北東、カルナータカ、ケララ、マディヤ・プラデーシュ、ラージャスターン、ウッタル・プラデーシュ(西)で確保した。
帯域幅は全部のテレコムサークルで少なくとも100MHz幅を確保しており、8のテレコムサークルでは130MHz幅を利用できる。
Bharti Airtelは3400~3470MHzを全部のテレコムサークルで保有するほか、3370~3400MHzをヒマーチャル・プラデーシュ、ジャンムー・カシミール、カルナータカ、ケララ、マディヤ・プラデーシュ、北東、ラージャスターン、ウッタル・プラデーシュ(西)、3470~3500MHzをアーンドラ・プラデーシュ、アッサム、ビハール、デリー、グジャラート、ハリヤーナー、コルカタ、マハーラーシュトラ、ムンバイ、オディシャ、パンジャーブ、タミル・ナードゥ、ウッタル・プラデーシュ(東)、西ベンガルで保有する。
周波数範囲は異なるが、全部のテレコムサークルで100MHz幅となる。
Vodafone Ideaは3320~3370MHzをカルナータカ、ケララ、マディヤ・プラデーシュ、ラージャスターン、ウッタル・プラデーシュ(西)、3350~3400MHzをアーンドラ・プラデーシュ、ビハール、デリー、グジャラート、ハリヤーナー、コルカタ、マハーラーシュトラ、ムンバイ、パンジャーブ、タミル・ナードゥ、ウッタル・プラデーシュ(東)、西ベンガルで確保した。
17のテレコムサークルで50MHz幅を保有するが、5のテレコムサークルでは3.5GHz帯を取得できなかった。
3.5GHz帯は空港周辺では利用できないが、インドの移動体通信事業者は5Gで複数の周波数を利用するため、空港周辺でも5Gの整備は可能である。
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