iPhone 15シリーズもミリ波の5Gは米国とプエルトリコ限定に
- 2023年09月14日
- Apple関連
米国(アメリカ)のAppleはスマートフォン「iPhone 15」、「iPhone 15 Plus」、「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Pro Max」を発表した。
4機種とも型番は米国と米自治領プエルトリコ自治連邦区で販売するモデル、日本と5の国と地域で販売するモデル、中国と中国の特別行政区で販売するモデル、その他の国と地域で販売するモデルの4種類となる。
それぞれのモデルを以下から米国版、日本版、中国版、国際版と表記する。
米国版、日本版、中国版、国際版ともに第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に対応しており、サブ6GHz帯(Sub6)の周波数を中心とするFR1で定義されたNR Bandには対応している。
米国版に限りFR1の加えてミリ波(mmWave)の周波数を中心とするFR2-1で定義されたNR Bandも利用できる。
米国では同国の移動体通信事業者(MNO)でVerizon Wirelessとして携帯通信事業を行うCellco PartnershipがFR2-1に対応することを事実上必須としていた。
Cellco PartnershipはFR2-1で5Gを商用化しており、FR1で5Gを導入後も保有する周波数の関係から5Gの高速通信はFR2-1に限り実現できた。
FR1では第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式と同等の通信速度にとどまる。
そのため、高速通信の実現にはFR2-1に対応する以外の選択はなかった。
Cellco Partnershipは加入件数を基準に米国で最大の移動体通信事業者で、米国市場はAppleにとって最重要な市場であるため、米国では5Gに対応したiPhoneは廉価版を除いて当初よりFR2-1に対応したモデルを展開することになった。
Cellco PartnershipがFR1で広い帯域幅を確保したTDDの中帯域で5Gの展開を開始後はFR1でも高速通信を実現できるため、FR2-1の重要度は低下した。
Cellco PartnershipとしてもFR2-1に対応していない5Gの機種も取り扱いを開始したが、iPhoneでは廉価版を除いて継続してFR2-1に対応している。
米国で販売するモデルは米国の主要な移動体通信事業者の周波数事情からFR2-1に対応しており、後継機種でも継続していると考えられる。
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